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    若者の投資詐欺への脆弱性が浮き彫りに

    若い世代、特にZ世代の投資への関心が高まりつつある現代。NISA口座の開設者が増加するなど、投資への関心が以前より高まっています​​。auが運営するじぶん銀行の調査によると、現役大学生の6割以上が投資に関心を示しており、つみたてNISA口座数は2022年9月末時点で466万口座に達しています​​。こうした投資への興味が高まるほど、詐欺師に漬け込まれる余地が出てきます。情報が豊富に集まる中、若年層にも詐欺被害が広がっています。

    リスクの高い投資への興味

    金融広報中央委員会によると、若年層は他の世代に比べてリスク性金融資産への関心が高く、特に暗号資産への投資・関心が顕著です​​。この背景には実際に使うことができる資金が少ないために一攫千金を狙いやすいという煽り文句でハイレバレッジのFXや「爆上げ」を狙える暗号資産の情報がTIKTOKやYOUTUBE Shortなどでも人気です。

    ショート動画メディアが詐欺の温床になっているわけではないのですが、短時間にインパクトの大きな話題が刷り込まれてしまうことには注意が必要です。はじめは興味がなくても盛んに投稿されるショート動画を何度も見ているうちに、詳細やリスクを理解することなく、投資が儲かるというイメージだけ刷り込まれてしまった結果、紛れ込んでいた詐欺的な手口を紹介する危ない詐欺師からのアプローチを受けた際に、話を信じてしまいやすくなります。

    SNSを利用した投資詐欺の増加

    実際に警察庁のデータによると、SNSを通じた投資詐欺が増加しています。2017年に20代以下が全体の10%未満だった相談件数が、2021年には約20%にまで増加しました​​。直接動画を上げている動画配信者は、広告収益や情報商材の販売、サロンへの入会金や会費で収益を上げていることがほとんどですが、中には悪質な詐欺をはじめから目指した配信者もいる可能性があります。特にTIKTOKは動画の面白さを特に重視したアルゴリズムを採用していますので、短期的に勧誘リストをつくり詐欺を働きたい犯罪者が悪用しやすいメディアになっています。

    具体的な詐欺事例の深堀り

    1. SNS詐欺・ロマンス詐欺:出会い系サイトやマッチングアプリで出会った相手に投資の勧誘を受け、投資をすると音信不通になる詐欺です。「暗号通貨で数億円の利益」を得て、自分と同じような境遇から「セレブ生活を送るようになったすごい人」の話を聞くうちに「そのノウハウを活かして投資ができる」「今投資すれば2ヶ月後に2倍になる」「限定100人まで」などの煽り文句にだまされ、借金をしてでもお金を投資してしまうケースが続出しているようです。
      国民生活センターによると、暗号資産(仮想通貨)に関連した相談が多い状況ですが、社債や未上場株式などニュースなどで話題になっている時事ネタをうまく活用する形で詐欺師は騙すテーマを選んできます。
    2. フラット35を悪用した不動産投資詐欺:SNSなどを通じて接点を持ったZ世代に対して、住宅用不動産を購入するためにフラット35を悪用させる詐欺が横行しました。年収が低くても投資用不動産を頭金0で全額ローンで購入できると若者をそそのかします。フラット35は定期収入があれば融資がおりやすいのですが、「自分が居住するため」という目的が定まったローンです。事業用として他人に貸し出す目的で借りると契約違反になります。一括返済を求められるリスクがあるのですが、詐欺師はその説明をしない(またはルール上はそうなっているけど、みんなやっているので、事業用に借りても大丈夫、とそそのかし)、融資を受けさせます。悪質な詐欺師は物件価格を不当に水増しされているので、一括返済を求められ物件を売却しても借金だけが残ってしまうことになります。

    若い世代も注意が必要!SNSでの情報は精査が必要

    投資詐欺の被害に合うのはシニアだけではありません。投資詐欺に引っかかる若者が増えている現状は、投資教育の重要性を示唆しています。暗号通貨取引に問題があるのではなく、適正な投資と向き合うためのリテラシーの不足が問題です。リスクとリターンの関係を理解し、身の丈に合わない投資を行わない判断や、法的にグレーな取引に手を出さないといった基礎知識をまず身につける必要があります。そのうえで、言葉巧みに勧誘する投資詐欺を行う詐欺師の手口を理解し、身を守るための行動の取り方を知っていくことが不可欠です​​。

    投資と詐欺編集部
    投資と詐欺編集部
    「投資と詐欺」編集部です。かつては一部の富裕層や専門家だけが行う特別な活動だった投資ですが、今では一般の消費者にも未来の自分の生活を守るためにチャレンジしなくてはいけない必須科目になりました。「投資は自己責任」とよく言われるのですが、人を騙す詐欺事件は後を絶ちません。消費者が身を守りながら将来の生活に備えるための情報発信を行なっていきます。

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