2023年6月29日木曜日、昨年と同じく、スルガ銀行の本拠地でもある静岡県沼津市で株主総会が行われました。投資と詐欺編集部は、昨年同様、前日から沼津に入り、スルガ銀行不正融資事件の被害者団体「スルガ銀行不正融資被害者同盟」に密着取材しています。去年に引き続き、スルガ銀行不正融資被害者から提案された20議案にものぼる厳しい株主提案がでましたが、直前にスルガ銀行がクレディセゾンとの資本業務提携を締結したこともあって、今年も波乱含みの総会となりました。
目次
清掃活動〜スタンディングデモへ
2023年6月29日早朝、小雨が降る中、集まり始めた不正融資被害者のメンバー。今年も多くの被害者が株主となって沼津駅周辺に集合する様は毎年の風物詩のようです。
朝8時より総会会場となるプラサヴェルデ前でスタンディング・デモが開始されました。参加者全員でお揃いのTシャツを着用し、ひとつの横断幕を数人がかりで持っています。
道路の両脇に何百メートルにも渡ってズラーっと並ぶ光景は、強い団結力が感じられ平日朝の通行人や道路を通る車にもかなり印象的であったと思います。
等間隔で誘導棒を持った同盟の方が数人立っていて、歩行者や車への配慮なども徹底しており、何度も繰り返し行われた手際の良さも感じさせます。
「スルガ銀行不正融資被害者同盟」の訴え
スタンディングデモがはじまって30分くらいたった頃、地域の方々や総会会場入りするスルガ銀行の行員、役員へのマイクを使った訴えがはじまりました。まずは同盟代表、続いてスルガ銀行不正融資被害弁護団 団長 河合弁護士、そして実際にシェアハウスかぼちゃの馬車問題で被害にあったReBORNs代表の冨谷氏がマイクを片手に熱弁をふるっていました。
それぞれの目線や立場での悲痛な叫び、心のこもった訴えは、被害者の長い長い苦しみを代弁しているようです。不正融資問題の解決に向けて全く進まない現状や金融庁から業務改善命令が解かれていないにも関わらず、全く解決に向けて動こうとしないスルガ銀行のずさんな姿勢などを訴える姿は、取材班にも刺さるものがありました。
そして株主総会、開場
総勢約350名「スルガ銀行不正融資被害者同盟」のスタンディングデモ、マイクを使った訴えが終わり速やかに撤収が始まりました。いよいよ、スルガ銀行株主総会がはじまります。今年は昨年の総会が抽選制であったのとは異なり、多くの被害者株主が参加できます。会場となるプラサヴェルデ前にはたくさんの参加者が集まり、次々と会場入りする光景が繰り広げられました。地元テレビ局のカメラなどもきており、スタンディングデモの時もそうでしたが、会場前の様子・受付なども撮影していました。ただならぬ雰囲気が漂ってきます。
昨年と違ったのは、取材に来ていたメディアの数です。クレディセゾンとの提携が呼び水となり、話題性があると感じたのか多くのメディアが株主総会へ詰めかけており、各々が被害者へマイクを向けてインタビューしている姿が印象的でした。
この後10時からの株主総会、一体どうなるのでしょうか?(中編に続きます)