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ハチの巣エキスのマルチ商法ー全国八葉物流事件

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1999年に沖縄県北谷町に本社を置く健康食品会社全国八葉物流を中核とする「八葉グループ」はハチの巣のエキスなどで作ったとされる高額な健康食品によるマルチ商法(連鎖販売取引)を行いました。

同グループは2001年まで「代理店などになれば栄養補助食品の販売利益の配当が得られ、1年間で出資金が2倍になる」などと謳い、マルチ商法を装って約5万人から1500億円近い金を集めていました。

しかし同グループは資金不足で2001年12月末ごろから配当の支払いが滞るようになったため、被害者らによって被害者連絡会議が設立されました。反社会的組織の不法行為もあり全国八葉物流は資産凍結のために準自己破産を申し立て、2002年1月29日に破産宣告を受けました。

2002年11月には、警視庁と沖縄・愛媛両県警の合同捜査本部が元名誉会長ら14人を詐欺罪で逮捕しました。

捜査によって、八葉グループは商品販売の実態がほとんどなく、大半をそのまま配当に回す自転車操業だったことが判明しました。そして同年12月に組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)でうち9人が起訴され、元名誉会長に懲役9年の判決が言い渡されたのをはじめ、主要な関係者に有罪判決が言い渡されました。

商品を受け渡すマルチ商法は合法なのですが、、

マルチ商法は、販売組織の加入者が別の消費者に商品を売って組織に加入させてマージンを受け取り、さらにその消費者が別の消費者に商品を売って組織に加入させてマージンを受け取り、さらにその消費者が・・・というマージンを上げる組織作りを制度化している商法です。

「ビジネスではみんなが成功するわけではない」という美名のもとに会員から搾取するとみなされることもあるマルチ商法ですが。商品の販売などの実態がある取引を行うマルチ商法は合法です。

一方で、商品の受け渡しなどの実態がない商法をねずみ講と呼びます。ねずみ講は無限連鎖防止法で禁止されており、
・無限連鎖講を開設又は運営した者
3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金
・会員となって反復継続の意思をもって他の人に会員になることを勧誘
1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
などの刑罰が規定されています。

今回の八葉グループは実態がないことが分かったので、詐欺に当たると処罰された形です。

法律で禁止されているねずみ講と違い、マルチ商法は商品を媒介させており、適切な組織運営を行
えば事業を維持することが可能です。松下電器産業など大手の電機メーカーも販売店に対してマルチ商法と同じような系列をつくる一次店、二次店、三次店制度を敷いていましたし、アムウェイなどの健康食品や化粧品のマルチ商法を基軸にしたネットワーク商法を行っている事業者もいます。

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