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    健康食品は大丈夫?注意すべき詐欺商法や業者・商品を解説

    サプリメントや飲料水、発酵食品、緑黄色野菜など、健康食品に関するセールスは昔から盛んに行われています。

    昨今では、美肌や健康に効果があるとされているサプリメント、野菜ジュース、コラーゲンゼリー、免疫ケア食品などが有名。皆さんのなかにも、これらの健康食品のセールス電話や訪問販売などの勧誘を受けたことがあるのではないでしょうか?

    実際、美味しかったり効果があるように感じられたり、悪い健康食品ばかりとは限りません。しかし、健康食品を装った詐欺事例があるのも事実です。

    言葉巧みなセールストークやイベントをきっかけに、さまざまな詐欺事例が発生しています。

    これらの事例や、詳細を把握せずに健康食品を購入すると、思わぬ詐欺に遭遇してしまう危険性もあるでしょう。

    そこで今回は、健康食品に関するさまざまな詐欺の手口や、特徴、対策、注意点を解説します。

    <この記事は、こんな方におすすめです!>

    • 注意すべき健康食品について
    • 実際にある健康食品詐欺の事例
    • 安全な健康食品が知りたい

    健康食品詐欺とは

    健康食品詐欺とは、お腹の調子を整えたり脂肪燃焼を助けたり、「体に対して一定の保健的な効果が明確に定義されていない食品」を購入させる詐欺です。

    全国的に健康食品に関連する詐欺事例が発生しており、消費者庁からも毎年のように注意喚起がされています。

    市場リサーチの受託調査として、さまざまな業界を取りまとめている株式会社矢野経済研究所によると、全国の健康食品の市場規模は2023年でおよそ9,000億円。大きな市場規模を示している一方、全体的なイメージとしては、偽装商品や詐欺などの悪いイメージが先行している状況です。

    参照:株式会社矢野経済研究所:「健康食品市場に関する調査を実施(2023年)」

    怪しい健康食品が多い

    代表的な健康食品には、さまざまな種類がありますが、現在はそれと同じくらい、怪しい健康食品も出回っています。

    代表的な怪しい健康食品は以下のとおりです。

    • 健康的になれると宣伝している「サプリメント」
    • 体にいいとされている「野菜ジュース・お茶」
    • お肌にいいと謳う「ビタミン剤・コラーゲン商品」
    • 骨が丈夫になる「煮干し・魚類の健康食品」
    • ダイエットやボディメイクにいいと宣伝する「プロテイン」
      など

    そのほかにも玄米類、きのこ類、発酵食品、豆類、果物類などの、詐欺に注意しなければいけない健康食品があるので、購入する際には注意しましょう。

    高齢者が狙われやすい

    若年層のなかにも健康に気を遣う方はいますが、特に「健康意識が高まる年配の方々」は健康食品詐欺の業者に狙われやすい傾向です。

    年を重ねるにつれて、足腰や骨密度、内臓機能の低下により、ほかの世代よりも健康に気をつけている方が多いのではないでしょうか。健康食品で詐欺活動を行う業者は、そんな高齢者が抱える「健康に対する不安」につけ込んできます。

    訪問販売やテレアポ営業、セミナーイベント、架空請求などの詐欺手法により、毎年のように被害者がでています。「本当におすすめの健康食品」を探しているなかで、怪しい商法によって高額な商品を購入させられたら、ほかの健康食品の購入も怖くなってしまうでしょう。

    若者に比べて、健康食品に使う金額が多い高齢者は、悪徳業者から狙われやすいため、十分に注意してください。

    よくある健康食品詐欺の手口

    健康食品は、あらゆる手口で詐欺商材として利用されています。

    代表的な健康食品詐欺の事例を把握しておかなければ、思いもよらない詐欺手口に遭うかもしれません。以下で紹介する健康食品詐欺に関する手口を参考に、悪徳業者から身を守りましょう。

    小規模セミナーによる催眠商法(SF商法)

    催眠商法は詐欺の代表的な手口であり、健康食品詐欺にも利用されています。

    催眠商法とは、ターゲットを狭いセミナー会場や少人数説明会などの、隔離的な空間に誘導。健康食品や日用品を無料配布または格安で提供して、油断したタイミングで高額商品を勧める手口です。

    隔離された空間や、サンプル品を利用した影響などにより、ターゲットを一種の催眠状態に陥らせ、冷静な判断力を欠かすことを目的としています。毎年のように国民生活センターや消費者庁から注意喚起が行われていますが、高齢者をはじめとした催眠商法の被害者は後を絶たない状況です。

    参照:独立行政法人国民生活センター「睡眠商法」

    送りつけ詐欺・架空請求詐欺

    送りつけ詐欺とは、購入した覚えのない商品が、ある日突然送りつけられてきて、料金を強制的に要求される詐欺です。

    架空請求詐欺は、送りつけ請求詐欺と一連の流れで一緒に行われるケースも少なくありません。健康食品を送りつけた後に、電話をかけて料金を要求。その後、架空請求を送る詐欺事例が確認されています。

    「送りつけ詐欺」と「架空請求詐欺」は、一連のながれのなかで併用されることもありますが、単一の詐欺手法として別々に行われることもあります。

    送りつけ詐欺・架空請求詐欺は、電話が直接かかってくるケースも確認されているため、強引な営業が苦手な方は要注意。身に覚えのない荷物や請求書が届いた際には、国民生活センターなどに相談しましょう。

    参照:金融広告中央委員会「健康食品送りつけ詐欺」

    電話営業(テレアポ)

    電話営業は、偽物の健康食品を販売している詐欺業者が、携帯電話や固定電話へと電話営業をかけて商品を購入させる詐欺手法です。

    健康食品業界に限らず、金融業界やWEB業界などのさまざまな業界で行われている営業手法の1つ。その営業手法を活用して、詐欺の営業活動を行っているのが、電話営業と呼ばれる健康食品詐欺の手口です。

    しつこく質問してきたり、強引に健康食品を勧めてきたりするので、積極的な営業が苦手な方は特に注意しなければいけません。

    訪問販売

    訪問販売は、電話営業(テレアポ営業)の訪問版。インターホンを押して自宅に直接営業する詐欺です。

    催眠商法、電話営業、架空請求詐欺などのように、高齢者が狙われやすい傾向にあります。持病の関節痛、腰痛、その他の「不具合が治る」という営業トークで、消費者の興味・関心を惹きつける手口です。契約が決まった後は、さらに高額な商品を勧めてくる事案も確認されています。

    言葉巧みにターゲットを不安にさせたり、購買意欲を刺激したり、断る隙を与えずに契約へと持ち込むプロの詐欺師営業マンもいるので、十分に注意してください。

    参照:特定非営利活動法人消費者被害防止ネットながさき「訪問販売による次々販売(健康食品)」

    わかりにくい契約

    訪問販売やセミナーなどで契約書にサインする際に要注意なのが、サブスクリプションタイプの契約です。要するに契約すると毎月一定の金額を支払うことで商品が届くというやつですね。これはインターネットで申し込む際もよくありますので注意が必要です。
    よくある手口として、初回100円としておきながら翌月以降は9,800円になるもの、さらに解約する際に最低利用月数があったり、解約はなぜかWEBでは受け付けないなど解約の手続きが煩雑なものなど注意が必要です。
    契約する前にネットで「口コミ」を調べたり、利用規約や解約の仕方を事前に確認するようにしましょう。

    健康食品詐欺で注意すべき文言

    プロの詐欺師たちは、さまざまな手口や営業トークで詐欺を行っているので、特に以下のような文言を聞いた場合は、健康食品詐欺に警戒しましょう。

    • 運動をしなくても痩せるサプリがある
    • 持病の腰痛や関節痛が治る健康食品がある
    • いま世界的に注目を集めている〇〇という素材を使った食品がある
    • 古来から重宝されている伝統的な食材
    • 何日以内に傷や症状が完治する

    世の中には、体への効果が認められている健康食品もありますが、科学的な根拠の乏しい偽物の商品も出回っています。

    偽物の健康食品を摂取しても、持病が改善されなかったり、求める効果が得られなかったりするだけで、特段大きな悪影響は現れないでしょう。しかし、「効果絶大・効き目抜群」などと謳う偽物の健康食品は、体への悪影響はないものの、高額であるため経済的な注意をしなければいけません。

    都合のいい営業マンの言葉や、過度に期待させる甘い言葉には、いつも以上の注意が必要です。

    参照:厚生労働省「健康関連詐欺にだまされないで」

    健康食品詐欺に遭遇した場合の対処法

    健康食品詐欺に遭遇した場合は、以下の方法を取るようにしましょう。

    • クーリング・オフの活用
    • 商品を受け取らない/商品を受け取っても代金を支払わない
    • 国民生活センター、弁護士などの相談機関に連絡する
    • 健康食品詐欺に遭遇して購入に悩んだら、1日置いて冷静に考える

    また現在では、フリーマーケットアプリや、個人営業のオンラインショップでも、さまざまな健康食品が販売されています。万が一、怪しい健康食品を購入してしまい、1人で悩んでしまったら、なるべく早い段階で弁護士や消費生活センターに連絡・相談するのがおすすめです。

    健康食品詐欺のトラブルに遭った際の相談先

    健康食品に限らず、詐欺に遭ってしまった場合は、以下の相談機関へと連絡しましょう。

    • 身近な信頼できる知人・身内
    • 日本司法支援センター(法テラス)
    • 消費生活センター・国民生活センター
    • 日本弁護士連合会
      など

    消費生活センター・国民生活センター

    消費生活センターは、地方公共団体が運営している行政機関であり、個人の消費生活に関するトラブルにも対応してくれます。健康食品詐欺に関するトラブルでも問題ありません。

    国民生活センターは、政府管轄の「独立行政法人 国民生活センター」が運営しているため、健康食品をはじめとした幅広い詐欺事案の相談に乗ってくれるので安心です。

    強引な押し売りで健康食品の契約をしてしまい、困った場合は「消費者ホットライン」188番へ電話することで近くの消費生活センターへ案内してくれます。誰に相談したらいいのか分からない方は、まずは消費生活センターや国民生活センターへ連絡しましょう。

    専門の相談員が公平な立場から対応してくれます。

    参照:全国の消費生活センター等_国民生活センター (kokusen.go.jp)

    日本弁護士連合会(日弁連)

    日本弁護士連合会は、日本全国の弁護士が登録する団体です。

    健康食品の詐欺被害に遭ってしまい、早急に解決したい場合は、訴訟や損害賠償請求などの事件解決に向けて迅速に行動・対応してくれる日本弁護士連合会がおすすめ。

    日本弁護士連合会が運営する「ひまわり相談ネット」は、近くの法律相談センターへと予約することができます。相談料金は、30分で5,500円前後と相談しやすい金額のため、二次被害を防ぐためにも、1人で思い悩まずに早急に相談してください。

    参照:ひまわり相談ネット|日弁連の法律相談インターネット予約 (soudan-yoyaku.jp)

    日本司法支援センター(法テラス)

    3.日本司法支援センター(法テラス)

    健康食品詐欺に遭遇したら、法律相談や弁護士紹介を無料で行ってくれる日本司法支援センター(法テラス)への相談もおすすめできます。

    法テラでは、経済的な問題から弁護士費用を払えない方を対象に、「法律扶助業務」として弁護士費用の立て替えサービスも行っています。立て替えサービスを受ける際には、一定の審査を受ける必要がありますが、詐欺問題を悪化させないためにも、一度相談して状況を相談してみましょう。

    参照:法テラス|法的トラブル解決のための総合案内所 (houterasu.or.jp)

    まとめ:健康食品詐欺にはさまざまな手口があるので注意しましょう

    現代の詐欺手法は非常に巧妙であり、健康食品詐欺でも注意しなければいけない手法が複数存在します。

    • 催眠商法(SF商法)
    • 送りつけ詐欺
    • 架空請求詐欺
    • 電話営業(テレアポ)
    • 訪問販売
      など
      そして、「解約がしにくい」というのも大きな問題点となります。
      契約をする前に必ず「利用規約」を確認するようにしましょう。明らかに事業者側に有利な利用規約の場合、詐欺業者である可能性が高いです。

    なかには科学的な根拠のある、優良な健康食品も販売されています。しかし、大半が大袈裟にアピールした誇大広告の食品です。

    持病が治る、お肌が綺麗になる、腸内環境が整う、運動しなくても痩せる、などの健康食品に関する甘い営業トークには注意しましょう。

    特に健康に意識を向け始める40代以降は要注意。健康食品詐欺は、高齢者をターゲットにする傾向にあるため、万が一詐欺に遭遇してしまった場合は、今回紹介した相談機関に相談してください。

    投資と詐欺編集部
    投資と詐欺編集部
    「投資と詐欺」編集部です。かつては一部の富裕層や専門家だけが行う特別な活動だった投資ですが、今では一般の消費者にも未来の自分の生活を守るためにチャレンジしなくてはいけない必須科目になりました。「投資は自己責任」とよく言われるのですが、人を騙す詐欺事件は後を絶ちません。消費者が身を守りながら将来の生活に備えるための情報発信を行なっていきます。

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