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    不動産のデート商法詐欺とは?特徴や被害に遭った場合の対処法を紹介!

    かつてのデート商法といえば、電話で被害者をデートに誘い、宝石や絵画などを買わせるといった手口でした。しかし投資に注目が集まる近年は、デート商法によって不動産を購入させるという大胆な詐欺が多発しています。

    特にインターネット上で見知らぬ相手と気軽にやりとりできるSNSや婚活アプリには要注意です。この記事では、軽い気持ちで行ったデートから発展する、不動産のデート商法詐欺の手口や対処法などをご紹介します。

    デート商法詐欺は被害の立証が難しいため、知識を深めてトラブルを未然に防ぐことが大切です。身近に潜む詐欺のリスクを理解し、慎重な判断を心掛けましょう。

    不動産のデート商法詐欺とは

    不動産のデート商法詐欺とは、素性を隠した詐欺師が被害者とデートを重ねて好意を抱かせ、その恋心を利用してマンションなどの購入を促す詐欺です。

    別名「恋人商法」とも呼ばれています。たとえ不動産を購入する気がなかったとしても、「断ると相手に嫌われるかもしれない」という不安から契約をしてしまうケースが多いようです。

    さらに悪質な詐欺師は、クーリングオフができないよう購入後もしばらく連絡を取り続けます。クーリングオフ期間を過ぎた後に詐欺師からの連絡は途絶え、被害者はようやく詐欺だったことに気が付きます。解約手続きも行えず、多額のローンだけが残る悲惨な結末が待っています。

    不動産のデート商法詐欺に遭いやすい手口

    デート商法の罠は日常生活のあらゆるシーンに潜んでいます。また、詐欺師は異性だけでなく、「友達になりたい」と称した同性の場合もあるので、男女問わず素性の分からない相手には警戒しましょう。

    SNSなどのアプリを使用している

    SNSが普及したことで見知らぬ人とも簡単に連絡を取ることができるようになりました。一方、詐欺やトラブルを拡大させる原因にもなっています。DMで見知らぬ相手から、突然デートの誘いが来たとしても絶対に応じないことが大切です。

    また、出会いが目的の婚活アプリやマッチングサイトは、相手に怪しまれることなくデートの誘いができるため、詐欺師にとって好都合な場です。婚活者を装った詐欺師には十分に気を付けましょう。

    街コンや飲み会などに潜んでいる

    SNS以外の出会いでも油断は禁物です。大勢が参加する街コンや飲み会のなかにも詐欺師は潜んでいます。

    手口としては、投資コンサルタントやファイナンシャルプランナーを名乗って投資の知識を披露し、被害者を信頼させながら年収や資産を聞き出します。後日デートを重ねた後に「あなたは投資が向いている」などと不動産購入の話を持ち掛けて契約を促します。

    最近のデート商法詐欺は、被害者に信頼感を与えるために複数回デートを重ねることが多く、だまされてしまう人が多いです。

    街頭での声かけや名刺交換

    街頭でのアンケート調査や市場調査を装って被害者に近づくケースもあります。世間話で打ち解けた後に連絡先を交換し、後日デートをしたら不動産会社の営業マンが同席していたということも珍しくありません。

    被害を未然に防ぐためには、怪しい声かけは無視するほか、アンケートに個人情報を記載しないという対策が有効です。

    もし突然デートに誘われたとしても、その人を深く知らないうちは絶対に会わないようにしましょう。

    その他

    デート商法の仕掛け人は、異性から見て魅力的な美男美女であることが多いです。

    被害者に好印象を与えるために、容姿や人当たりがよい人物を仕掛け人として雇っているケースもあります。甘い言葉で誘惑するハニートラップに引っかからないよう、毅然とした態度を取りましょう。

    詐欺師は、できるだけ効率的に不動産を購入させることを企んでいます。お互いのことをほとんど知らないのにも関わらず、電話やSNS、街頭でデートの約束をしてくる相手には十分に注意してください。

    不動産物件のデート商法詐欺で注意したい文言

    デート商法詐欺で注意したい文言には、以下のような言葉が挙げられます。

    • 「二人で将来住むため」
    • 「老後の資金作りのため」
    • 「購入しないともう会うことはできない」
    • 「あなたは投資に向いている」

    これらの発言は、結婚を前提とした言葉で信頼させたり、別れを想起させたり、不安をあおることで不動産購入へと導くことが目的です。甘い言葉にだまされないように覚えておきましょう。

    民法によると、詐欺や強迫によって不当な契約をした場合は取り消しを主張することができます。しかし、甘い言葉で被害者を誘惑するデート商法では強迫されて契約したとは断定できず、被害の立証は非常に困難であるため注意が必要です。

    デート商法詐欺で不動産を購入してしまった際の対処法

    もし不動産を契約してしまっても、詐欺師が宅建業者で、契約場所がカフェなどの事務所以外であれば、クーリング・オフが適用されて契約金を撤回できます。ただし、詐欺師が仲介業者であったり、バイトとして雇われたブローカーなどの人物であった場合には適応されません。

    また、2018年(平成30年)6月15日に消費者契約法の改正案が公布され、デート商法を含めた不当な勧誘による契約の取り消しが可能となりました。しかし、被害者が「社会生活上の経験が乏しい」という条件が付いており、すべての事例で契約を取り消せるわけではないので、注意が必要です。

    デート商法詐欺は被害の立証や対処が複雑であるため、被害に遭った場合には弁護士に相談することをおすすめします。なお「消費者契約法の改正」については、消費者庁から資料が公開されているので、さらに詳しく知りたい方は以下のURLを参考にしてください。

    消費者庁:消費者契約法の一部を改正する法律(平成30年法律第54号)

    不動産物件のデート商法詐欺に遭わないために

    不動産のデート商法詐欺に遭わないために、見知らぬ相手との交流は慎重に行いましょう。たとえ容姿や人当たりが良かったとしても、お金の話が出たら冷静な判断をすることが大切です。

    SNSなどで知り合った場合はすぐに合わない

    SNSを通じての出会いは、デート商法詐欺に限らずさまざまトラブルの原因となっています。

    被害を未然に防ぐため、SNSやアプリなどで知り合った素性の分からない相手には気軽に会わないようにしましょう。 たとえ容姿や経歴に魅力を感じたとしても、相手に好印象を与えるために顔写真を加工していたり、プロフィールを詐称している場合がほとんどです。

    「自分はだまされないから大丈夫」と思っていても、直接会ってしまうと断りにくい状況に陥ってしまいます。詐欺被害に遭わないためにも慎重な行動を心掛けましょう。

    お金の話が出てきたら慎重に判断する

    お互いのことをよく知らないうちから「将来のため」などと投資を勧める発言をされたら要注意です。

    結婚したい気持ちが強くても、早まらずに一度家族や友人に相談するなどして冷静な判断をしましょう。

    また、自分の職業や収入、資産状況などを軽率に話さないことも被害防止対策の一つです。SNSやアプリのプロフィールもどこまで公開するかよく考え、むやみに金銭情報を伝えないよう対策をすることが重要です。

    デート商法詐欺で不動産を購入してしまった場合の相談先

    詐欺被害に気が付いたときや契約に不安を感じたときには、すぐ専門家に相談しましょう。相談先としては主に以下の4つが挙げられます。

    なかでも各市町村に設置された消費生活センターは、国民の身近な相談先として位置付けられています。消費者ホットライン「188」に電話を掛けることで最寄りの窓口を案内してくれますので、まずは問い合わせてみましょう。

    また、国が運営する法律の相談窓口「法テラス」では法律の情報提供や弁護士の紹介をしています。トラブルに巻き込まれた際にはご活用ください。

    まとめ:不動産のデート商法詐欺ではお金目的の出逢いに注意!

    いまや、不動産投資詐欺に気を付けなければならないのは不動産に関心がある人だけではありません。身近に潜むトラブルのリスクを把握しなければ、幸せな生活を思い描いていたはずが人生のどん底に突き落とされる可能性もあります。

    不動産のデート商法は、だまし取られる金額が高額であるのに加えて、信頼した相手から裏切られるという精神的ダメージが非常に大きい悪質な詐欺です。 トラブルに巻き込まれないためには、怪しい相手とは断固として関わらない姿勢が大切です。自分のお金と人生を守るために、SNSや人との付き合い方を一度見直してみましょう。

    投資と詐欺編集部
    投資と詐欺編集部
    「投資と詐欺」編集部です。かつては一部の富裕層や専門家だけが行う特別な活動だった投資ですが、今では一般の消費者にも未来の自分の生活を守るためにチャレンジしなくてはいけない必須科目になりました。「投資は自己責任」とよく言われるのですが、人を騙す詐欺事件は後を絶ちません。消費者が身を守りながら将来の生活に備えるための情報発信を行なっていきます。

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