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    不動産投資とは

    アパートやマンションなどの不動産からの収益を得る投資

    生活する際に住む場所はとても大切です。自分で所有できる人もいれば借りて住んでいる人もいるわけですが、住む場所は非常に高額なので大きな財産と言えます。仕事をする場所である事務所や倉庫、工場という土地や建物も同じように欠かすことができない重要な役割を果たしています。こうした不動産を所有して人に売却したり、人に貸すことで収益を得ようというのが不動産投資の目的になります。

    住む場所を扱う住居用不動産

    学生向けのアパートや、家族向けのマンションや戸建てなど人が住むための不動産を扱うのが住居用不動産です。アパートやマンションの建物1棟を買う一棟もの投資、部屋ごとに買っていく区分投資の種類があります。新築は価格が高く、中古は価格が安くなる傾向があるのですが、建物は古くなると痛んできます。修理などのコストも発生するので注意が必要です。

    中古マンション区分投資

    中古のマンションの1室を購入して賃貸で貸し出したり、リフォームして販売する投資です。中古マンションといってもほぼ新築の物件もあれば、築年数が30年を超えるマンションもあります。億ションと呼ばれるような1億円を超えるマンションもありますし、地方都市の築年30年以上の物件であれば数百万円前半で販売されているケースもあります。

    ここでは非常に安価で取引されている事例を見てみようと思います。千葉県で実際に販売されている最安クラスのマンションを見てみましょう。(2022年1月現在です)

    SUUMOでしらべた千葉市の中で一番安価な中古区分マンションの例

    販売価格は190万円、バルコニー含めて53㎡ということで、昔ながらの団地タイプです。築年は1968年ということなので、2022年を基準に考えると築52年ですね。国土交通省が2002年に作成した報告書によると、マンションの平均寿命は46年、建て替え物件の着工時期の平均も築後37年となっています。ですが日本のマンション建て替えはまだまだ進んでいないので、こうした老朽マンションも市場では流通しています。

    マンションには物件価格以外に、毎月管理費と修繕積立金がコストとして発生します。このマンションの場合、管理費が9500円、修繕積立金が1万700円のようです。毎月約2万円のランニングコストが発生するようです。

    SUUMOの物件概要画面。

    売却する場合は、トイレやお風呂、台所などをリフォームしてきれいにしたうえで売却することで利益を得ることを狙っていきます。いわゆるキャピタルゲイン狙いです。貸し出す場合も物件の状況を見て判断は必要ですが、最低限のリフォームが必要かもしれません。毎月のコストを上回る収入を得ることができれば、投資として成り立つといえます。この方針で貸し出して利益を上げていくスタイルをインカムゲイン狙いの投資と呼びます。

    では実際に賃貸に回す際の相場も確認してみましょう。おなじくSUUMOの賃貸で花見川区の物件を料金が安い順に並び変えてみました。

    SUUMOの賃貸物件

    バルコニーの面積も含めるとほぼ同じ面積で同じくバス便です。家賃相場としてざっくり3万7千円を見込める物件といえるかもしれません(実際は立地や階数、内装の状態などをもっと精査してみたうえで、不動産賃貸業者にもきちんと相談して期待できる値付けを決めていきます)

    ランニングコストが2万円、期待できる家賃が3万7千円ということで、貸し出すことができれば、1万7千円の収益が毎月見込めるといえそうです。年間20万4千円が家賃収入として期待できるので、表面利回りは10.7%と言えます。表面利回りだけで見ると、10年ちょっとで投資を回収できる計算になりますが、実際は購入後のリフォーム費用や税金、不動産業者に入居者を募集してもらうための広告料を支払うので、実質利回りはさらに下がる計算になります。

    マンションを購入する際に、自己資金で購入するか、金融機関からの融資を受けて購入するかは大きな分かれ目になります。金融機関によっては法定耐用年数を超えても、(60年ー築年数)分の期間で融資してくれる金融機関も存在します。

    実際にこの物件購入に対する融資ができるかどうかは不明ですが、例としてお金を借りることができたとして、どのような返済条件になるかを見ていきましょう。

    ここではオリックス銀行のローンシミュレータを使ってみます。

    190万円の物件金額を8年で借りてみる場合

    190万円の物件価格を全額借りてみましょう。築52年なので、8年で返済してみることにします。

    返済金額

    すると毎月2万2千720円の返済で、一年あたり27万2640円返済する計算になりました。この物件を融資を受けて購入しても赤字になってしまいそうです。もっと長期間、安い金利で借りることができないと経営的には難しいようです。

    また実際には空室になってしまう期間もあるでしょうし、税金や予期せぬ修理費もあるかもしれません。またマンションは修繕積立金や管理費の分、コストが上がってきます。こうした要素を加味すると、賃料が3万円台の低価格帯中古マンションは採算がとりにくいといえそうです。

    中古マンション区分投資は儲からない?

    では中古マンションの区分投資は儲からないのでしょうか?必ずしもそうとは言えません。賃料が高く見込め(例えば家賃が14万以上見込める物件)、物件が割安で販売されていれば(例えば融資を受ける場合、毎月の返済額と管理費、修繕積立金の合計が10万円台でおさまった場合)、投資収益(このケースの場合月4万以上)を上げることができます。築年が浅い新しい物件であれば、融資を受ける期間を延ばすことができ、キャッシュフローが改善できる効果も見込めます。

    また先ほど見た千葉県花見川区の区分マンションも、家賃2万円で3人に入居してもらうシェアハウス形式にすると家賃収入が6万円に跳ね上がり、収益化が見えてきます。

    安く仕入れて高く売ることができれば、差額が利益です。このバランスをどのように狙っていくかが不動産投資の戦略になってきます。自分が投資できる金額、融資を受けることができる金額を総合的に判断して、どのような投資を行っていくか。その際に中古マンション投資が自分のスタイルに合っていれば積極的に取り組んでいくことも可能でしょう。

    一例として、東京都心部のキャピタルゲイン狙い(購入してしばらくして売却し利益を得るスタイル)の場合、10000万で購入したマンションを13500万円で売却した、8000万円で購入したマンションをしばらく貸し出したのちに、12500万円で売却したなどの実例を語ってくれた不動産投資家もいます。いずれもタワーマンションの上層階、高級仕様の物件です。タワマン投資と呼ばれるスタイルです。

    不動産投資は総合格闘技と表現している不動産投資家もいますが不動産投資には、さまざまな勝ち方があります。逆に言うとさまざまな負け方、損の仕方もあるわけです。取り組み買いがある投資分野だといえます。

    投資と詐欺編集部
    投資と詐欺編集部
    「投資と詐欺」編集部です。かつては一部の富裕層や専門家だけが行う特別な活動だった投資ですが、今では一般の消費者にも未来の自分の生活を守るためにチャレンジしなくてはいけない必須科目になりました。「投資は自己責任」とよく言われるのですが、人を騙す詐欺事件は後を絶ちません。消費者が身を守りながら将来の生活に備えるための情報発信を行なっていきます。

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