スルガ銀行不正融資問題は、金融庁が行政指導を行い、スルガ銀行自身が認めざるを得なかったように、スルガ銀行側のあまりにずさんで、銀行という社会の公器の信頼を傷つけた事件でした。また数百人の被害者が団結し被害回復を叫ぶほど、被害者の生活を聞きに陥れた事件でもありました。「投資は自己責任」という言葉に傷つけられながら、だまされたという思いを胸に署名活動に励む被害者たちを取材しました。
被害者はサラリーマンなどの一般人
投資と詐欺編集部では、スルガ銀行不正融資事件を継続的に取材していますが、被害者団体であるSI被害者同盟のメンバーとして活動している方々のお話を伺う際に、被害者の人たちが特別な人だとは思えないと感じます。どこにでもいる、自分と同じ職場にいてもおかしくない普通の人が数千万円から数億円の被害にあっている点に非常に衝撃を覚えます。
実際に話を伺うと、子供の養育費や親の介護費用などの捻出のためにサラリーマンの給与以外の副収入を得ようと、不動産投資を始めたという方が非常に多くいらっしゃいました。
俗にいう「年金2000万円」問題など将来のお金の不透明さに不安を覚える方もたくさんいらっしゃると思います。そのような不安につけ込んだ「投資詐欺」は後を絶ちません。読者の皆様も他人事ではない現実がそこまで迫ってきているのです。
今回は、そのような投資詐欺の被害者であるスルガ銀行不正融資被害者同盟の方々が駅前で署名活動を行っていました。都内に住む人も新幹線に乗って沼津駅を訪れ、真夏のような日差しのなか、署名を募っていました。
投資は自己責任ですが、詐欺被害は犯罪被害。こうした被害者たちの被害が回復されるためには、スルガ銀行との対話が必要でしょうが、スルガ銀行にその姿勢はないようです。法廷での闘争は被害者が多いこともあり、長期化してしまいます。解決の見通しは立っていない中、被害者たちは地道な署名活動を続けています。
株主総会での対応などを見ても、スルガ銀行が被害者と対話や和解の道を歩むことはなさそうです。このままでは問題は長期化し、だれも助けてくれない。被害者たちは時間を追うごとに経済的に追い詰められていくことでしょう。そんな出口が見えない状況を少しでも打開できるように、被害者たちは政治家への陳情や署名活動をはじめているようです。果たして政治は動くのか。金融庁やスルガ銀行の姿勢が変わる余地はあるのか。今後も投資と詐欺編集部では取材を続けていきます。
今回の署名活動は金融機関が関与するような投資詐欺被害の撲滅のための署名活動とのことですので、ぜひ読者の皆様も署名にご協力ください。
このサイトはChange.orgという署名サイトを利用しています。署名後に寄付を求められるページが表示されますが、特に寄付は不要(もちろんして頂いてもOK)とのことでした。