Home 詐欺と闘う 被害者の真摯な質問にうすら笑いを浮かべるクレディセゾン役員。問われる人格

被害者の真摯な質問にうすら笑いを浮かべるクレディセゾン役員。問われる人格

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スルガ銀行とクレディセゾンは業務資本提携を結び双方の資本を15%から20%保有しあう「深い関係」になっています。そうした経緯もあり、去年からクレディセゾンの株主総会にスルガ銀行の被害者や被害者弁護団が参加し厳しい追及を行いました。2024年6月19日、都内のホテルで行われた株主総会後に、被害者弁護団が会見を行ったので、その様子を報告します。

五十嵐 事務局長:東京地裁調停部での調停状況のフォローアップと、6月19日に行われたクレディセゾンの株主総会についてです。クレディセゾンは昨年スルガ銀行と資本業務提携を締結したため、スルガ銀行問題の利害関係人となりました。弁護団内の依頼者が株主としてクレディセゾンの株主総会に参加しました。

河合 団長: クレディセゾンは昨年スルガ銀行と資本金を15-20%程度持ち合う深い関係になりました。我々は、これほどひどい悪事を働き、金融庁の業務改善命令も解除されていないスルガ銀行と組むのはおかしいと考えています。

今日の株主総会には約150人の被害者が株主として参加し、10項目の株主提案を行い、警告を発しました。クレディセゾン側は、スルガ銀行と組んだ後に時価総額が倍になったと主張しましたが、我々はそれは短期的な見方であり、長期的には問題があると反論しました。

議場は終盤に熱気を帯び、怒号やヤジが飛び交う荒れた総会となりました。我々は今後もこの問題が解決されない限り、来年以降も株主総会で追及を続けると宣言しました。

山口 団長: クレディセゾン側は具体的な理由を述べず、シナジー効果で両社が良くなるという説明を繰り返すのみでした。我々の質問に対しても、デューデリジェンスの結果などについて明確な回答はありませんでした。

総会の議事進行は強引で、2時間10分で打ち切られました。上場企業としては丁寧さに欠ける対応だったと感じています。

被害者本人: 昨年に続き2回目の参加でしたが、今回は参加者数、質問数ともに5-6倍に増えていました。クレディセゾン側の回答は、スルガ銀行問題とは関係がなく対応の必要はないというものでした。役員の一部がうすら笑いを浮かべているのを見て、被害者の切実な訴えに対する態度として不適切だと感じました。資本業務提携をしている以上、スルガ銀行の問題解決に協力してほしいと思います。

問題解決を待たずにビジネス面での結びつきを深めるスルガ銀行とクレディセゾン

クレディセゾンとしては銀行機能を手に入れたことで、利益拡大に成果が上がっていると言います。スルガ銀行も資本提携の結果、経営基盤を強化し、サービスの拡大にもつなげたいところでしょう。不正融資という金融に関わる重大な問題の解決を待たず、両社のビジネス上の結びつきが強化されています。

スルガ銀行不正融資弁護団を率いる河合弁護士がいうように、今回の両社の協業は業務提携だけではなく、資本提携にも踏み込んだ深い関係です。それにもかかわらずクレディセゾンは、スルガ銀行の責任に関しては、スルガ銀行の責任であって、自社は関知しないと言い放っています。

被害者たちは「なぜ?」「それでいいのか?」と詰め寄りましたが、クレディセゾンの経営陣にはまったくその心情は理解されなかったようです。逆に「失笑するクレディセゾンの経営陣」の姿勢に、被害者の心情が傷つけられた様子でした。

このような企業姿勢も消費者のサービス選択には影響があるはずです。両社には被害者の心情に寄り添った対応が必要なのではないでしょうか。

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