Home 詐欺と闘う enjin・MatoMa完全解説——集団訴訟プラットフォームの仕組み・費用・実績と「弁護団に直接アクセス」との違い

enjin・MatoMa完全解説——集団訴訟プラットフォームの仕組み・費用・実績と「弁護団に直接アクセス」との違い

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《投資と詐欺》編集部より

「弁護士費用が高い」「一人で戦えない」——小口被害者がプラットフォームを介して弁護団にアクセスできるサービスが2018年に相次いで登場した。enjin(円陣)とMatoMa(マトマ)である。両者の仕組み・目的・実績を整理し、「自分の案件に使えるか」という視点で解説する。

enjin vs MatoMa 全体比較表

項目 enjin(円陣) MatoMa(マトマ)
運営元 ClassAction株式会社(代表:弁護士 伊沢文平氏) 弁護士法人 あまた法律事務所(代表弁護士:豊川祐行氏)
サービス開始 2018年5月 2018年10月1日
現状 サービス終了(2020年4月) 現行稼働中(mato.ma)
対象案件 詐欺・消費者被害・労働問題・医療・株主訴訟等 情報商材264件、仮想通貨83件、ネットワークビジネス26件等
登録・相談 無料 無料(登録・相談・マトマリ作成)
弁護士費用 1人5万円程度の事例(みんなのクレジット案件・227名) 着手金なし+成功報酬原則25%
実績 約16,000人・累計被害額200億円 情報商材1,000件以上のプロジェクト・チャージバック5件成功等
特記事項 CAMPFIRE提携で訴訟費用クラウドファンディングを計画していたが2020年に終了 チャージバック申請対応あり。週刊女性等メディア掲載実績

enjin(円陣)——日本初の集団訴訟プラットフォームの軌跡

2018年5月
ベータ版公開(弁護士 伊沢文平氏代表)

サービス開始から2か月で登録被害額が約50億円に到達。案件ごとに被害者を集め、弁護団を組成する日本初のサービスとして広く注目を集めた。

2018年7月
CAMPFIRE提携発表

訴訟費用をクラウドファンディングで募るシステムを導入予定と発表。小口被害者のハードルを下げるべく機能追加を進めた。

2019年初頭
みんなのクレジット案件にenjin活用

直接ファンド詐欺の被害者227名が参加。通常なら一人数十万〜100万円超かかる弁護士費用を、enjinを活用することで一人あたり約5万円に抑えることができた。

2019年末
登録者16,000人・累計被害額200億円突破

サービス開始から約1年半で大規模な登録者を獲得。特に投資詐欺・情報商材詐欺の被害報告が集中した。

2020年4月
経営体制の変更によりサービス終了

進行中のプロジェクトに参加していた被害者は、続行先の弁護団への引き継ぎが必要となった。案件ごとに担当弁護団への移管が案内された。

[編集部] enjin終了の教訓

enjinは「少額被害者が泣き寝入りしない世界」を目指した先駆的サービスだった。しかし、ベンチャー企業においてプラットフォームの収益化と弁護士業務・プラットフォーム運営の両立は容易ではない。被害者支援のリーガルテックの難しさを示すと同時に、MatoMaなど後継サービスへと理念が引き継がれた出来事でもある。

MatoMa(マトマ)——現在の主要プラットフォーム

MatoMaは2018年10月1日にサービスを開始し、現在も「mato.ma」で稼働中のプラットフォームである。当初は株式会社MatoMaが運営していたが、2019年7月9日に弁護士法人あまた法律事務所(代表弁護士:豊川祐行氏)へ事業譲渡された。「マトマリ」(プロジェクトページ)に被害情報を集積して弁護団を組成するモデルである。

弁護士法人が直接運営する弁護士主導型プラットフォーム

弁護士法人がバックにいることで、プラットフォーム立ち上げから法的相談まで一体化している。登録・相談・マトマリ作成は全て無料。

着手金なし+成功報酬原則25%

個人で弁護士に依頼すると着手金が高額になりがちだが、MatoMa経由では着手金なしで参加できる。回収成功時の報酬割合は原則25%。費用倒れのリスクが大幅に下がる点が最大の特徴だ。

チャージバック申請対応

クレジットカード決済で被害を受けた案件に対し、カード会社へのチャージバック申請(残債取消・返金手続き)にも対応。2019年7月時点で情報商材5件・29社のカード会社によるチャージバック承認実績がある。訴訟まで展開しにくい小口案件でも選択肢が広がる。

MatoMaの使い方——5ステップで解説

1
mato.ma に会員登録(無料)

メールアドレスとパスワードだけで登録可能。個人情報の入力は最小限に抑えられている。

2
既存のマトマリを検索する

被害に遭った商材名・サービス名・企業名でプロジェクト一覧を検索。同じ被害者がすでにマトマリを作成していれば参加するだけでよい。

3
マトマリがなければ新規作成

案件名・被害概要・相手方情報などを入力してプロジェクトページを作成する。他の被害者の目に触れることで参加者が集まりやすくなる。

4
弁護士との無料相談

参加者がある程度集まると弁護士が内容を確認し、訴訟の可否・見込みについて無料で相談できる。チャージバック対応の案件であれば早期に手続きに移行することもある。

5
集団訴訟またはチャージバック申請へ移行

弁護士が訴訟可能と判断した場合は原告団を組成して集団訴訟へ。クレジットカード決済案件はチャージバック申請を優先することもある。費用は完全成功報酬(回収額の25%)のため、回収できなければ費用は発生しない。

MatoMaの限界と注意点——成功しない案件の実態

MatoMaは便利なプラットフォームだが、登録すれば必ず解決できるわけではない。公開されているチャージバック成功実績は5件、頓挫して打ち切りとなったプロジェクトも複数存在する。「登録したが進展がない」というケースも少なくない現実を把握したうえで活用することが重要だ。

状況 MatoMaが有効 直接弁護団へ行く方が適切
被害規模 小口(数万〜数十万円)・同種被害者が多い 大口(数百万円以上)・個別性が高い
相手方の状況 国内法人・差押え可能な資産あり 海外逃亡済み・実体不明・資産隠匿の疑い
案件種別 情報商材・仮想通貨小口詐欺 不動産投資詐欺・高額投資詐欺(みんなで大家さん等)
決済方法 クレジットカード払い(チャージバック余地) 銀行振込のみ(チャージバック不可)

[編集部] MatoMaで解決できる案件・できない案件

MatoMaの強みは「情報商材・仮想通貨小口詐欺」に対する案件であり、同種被害者が多いためプロジェクトが立ち上がりやすい環境が整っている。一方、「みんなで大家さん」などの高額・大規模な不動産投資詐欺案件については、専門の弁護団に直接アクセスする方が適切なケースが多い。また、進捗が止まったまま打ち切りになる案件も存在することから、プラットフォームへの登録と並行して、差押さえまで展開できる弁護団との連携を検討することが被害回復の鍵になる。

プラットフォーム登録前に確認する5つのポイント

✅ 相手方の社名・住所・代表者名が判明しているか(判明しないと訴状を提出できない)

✅ 注文・入金履歴・契約書・スクリーンショット等の証拠を保全しているか

✅ 被害額は弁護費用(成功報酬25%等)を差し引いてもプラスになるか(費用倒れでないか)

✅ 相手方に差し押さえできる資産(銀行口座・不動産等)が存在するか弁護士に確認する

❌ 相手方が実在しないまたは海外逃亡済みの場合は、プラットフォームではなく、まず警察への被害届を優先

よくある質問(FAQ)

Q. MatoMaに登録するだけで訴訟が始まるのか?

A. 登録だけでは訴訟は始まらない。プロジェクト(マトマリ)に参加後、弁護士が案件を精査し、訴訟の見込みがある場合に限り正式に手続きへ進む。頓挫するケースもあるため、進捗の確認が重要だ。

Q. 着手金なしとはいえ、費用は一切かからないのか?

A. 相談・登録・マトマリ作成は無料。訴訟になった場合でも着手金は不要だが、勝訴・和解による回収額から25%が成功報酬として差し引かれる。実費(印紙代・郵送費等)が別途かかる場合もある。

Q. enjinが終了した今、MatoMa以外に利用できる集団訴訟プラットフォームはあるか?

A. 現時点でenjin相当のプラットフォームはMatoMaが主要な選択肢となっている。ただし案件規模や種別によっては、弁護士事務所が主導する専門の弁護団(不動産投資詐欺専門、仮想通貨詐欺専門等)に直接問い合わせる方が実績・スピードの両面で優れている場合が多い。

Q. チャージバックとは何か?訴訟とどう違うのか?

A. チャージバックはクレジットカード会社に対して購入代金の取消・返金を申請する手続き。訴訟より迅速で費用も低い反面、カード払いの案件に限られ、すべてが認められるわけではない。訴訟は相手方に対して法的に賠償を求める手続きで、時間と費用がかかるが銀行振込案件にも対応できる。

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最終更新:2026年4月13日 | investscam.jp 編集部

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