インターネットやSNSを利用した求人募集が普及する一方で、それを悪用した「闇バイト詐欺」が社会問題となっています。この詐欺は、犯罪に巻き込まれる危険性があるだけでなく、被害者が加害者として扱われるケースも多い深刻なものです。この記事では、闇バイト詐欺の手口や対策について解説します。
目次
闇バイト詐欺とは?
闇バイト詐欺は、違法行為を伴う仕事を隠して募集を行い、応募者を犯罪に巻き込む詐欺行為です。「短時間で高収入」「誰でもできる簡単な作業」といった甘い言葉で勧誘し、実際には振り込め詐欺の「受け子」や「出し子」、密輸や運び屋などの犯罪行為に加担させる手口が多いです。受け子とはかすめ取った現金や麻薬などの非合法なブツを受け取る役割を指します。出し子とは、不正な手段で入金を受けた資金をATMなどから引き出す役割です。「子」とついているように子方で、親方として詐欺師・反社会的勢力がいるのですが、複数の受け子を経由するなど全体像が分からないようになっているのが闇バイト詐欺の特徴です。
募集は日雇いバイト募集のアプリ「タイミー」や通常のバイト募集案件情報サイトでも掲載されているケースも報告されています。また当初から危険な闇バイトを募集するのではなく、割のよいバイトを装って募集をかけ、その後受け子の仕事をあっせんされることもあるということで、注意が必要です。
闇バイトの主な特徴
- 高額報酬の提示
- 「1日数万円」「初心者でもOK」といった条件で求人を出します。
- 仕事内容が不明瞭
- 詳細な業務内容を伝えず、抽象的な説明で安心させることが一般的です。
- 個人情報の収集
- 応募時に身分証や銀行口座情報を求められる場合があり、それらが犯罪に利用されることもあります。
- 押し込み強盗、殺人、リーダー役へ出世
- なんどか軽い犯罪行為の片棒を担いだ後に、強盗や殺人などの犯罪行為をオファーされることもあるようです。
- 複数人の闇バイトを束ねる闇バイトリーダーに出世することもあるようですが、安全な場所から指示をだす危険な犯罪者集団の手先になっているだけです。
- 連絡はSignalのような一定期間でメッセージを削除する機能をもったメッセージングアプリやテレグラムのようなクラウド型のメッセージングアプリを利用することが多いようです。秘匿性が高いので警察にはバレないなどの説明がされていると言います。
闇バイト詐欺で実際に起こった被害
- 振り込め詐欺の「受け子」として逮捕された事例
SNSで「荷物を受け取って届けるだけの簡単な仕事」という求人を見て応募したAさん。しかし、実際には振り込め詐欺の現金を被害者から受け取る役割を担わされ、警察に逮捕されてしまいました。 - 報酬が支払われない詐欺
Bさんは「アンケート調査」としてSNSで紹介された闇バイトに参加。しかし、調査後に連絡が途絶え、報酬を受け取ることができませんでした。 - 個人情報の悪用
Cさんは、求人応募時に提出した身分証の写真を悪用され、知らない間に自分名義で契約が行われていました。
闇バイト詐欺に巻き込まれないための対策
- 求人情報を慎重に確認する
報酬が異常に高い求人や仕事内容が曖昧な募集は疑いましょう。 - 個人情報の提供を避ける
身分証や銀行口座情報を簡単に渡さないことが重要です。 - SNSや掲示板での求人に注意する
正規の求人サイト以外からの募集は信頼性が低いため、慎重に検討してください。 - 高額報酬に惑わされない
短期間で大金を稼げるという条件は詐欺の典型的な誘い文句です。 - 不安がある場合は相談を
怪しい求人を見つけたら、警察や消費者ホットライン(消費者庁)に相談してください。また、信頼できる家族や友人にも話してみましょう。
闇バイトまとめ
闇バイト詐欺は、高額報酬をちらつかせて人々を犯罪に巻き込む危険な手口です。一度関与してしまうと、加害者として罪に問われるリスクがあるだけでなく、犯罪組織との関係から抜け出せなくなる可能性もあります。
投資や副業に興味を持つ方は、闇バイト詐欺の危険性をしっかりと理解し、怪しい求人には決して応募しないようにしてください。詐欺の被害に遭わないためには、冷静な判断と周囲のサポートが必要です。
あなたの安全と未来を守るために、甘い言葉には十分ご注意ください。
投資と詐欺編集部では、今後も詐欺に関する情報を詳しくお伝えしていきます。