ビットコインをはじめとした暗号通貨が資産形成の手段として注目を集めています。また2024年のアメリカの大統領選でも、トランプ候補が暗号通貨を重要視すると訴えていることがニュースになっています。そんな暗号通貨を活用した稼ぎ方にはさまざまな方法がありますが、あらためておさらいしておきましょう。以下に代表的な稼ぎ方の類型を10個ご紹介します。
目次
1. 取引(トレーディング)
暗号通貨を取引する暗号通貨取引所(DEX)で売買して利益を得る方法です。現物のコインを買い長期保有(HODLという俗語もうまれました)して値上がりを待つという方法もあれば、積極的に売り買いを繰り返して利益を上げる取り組み方もあります。
- デイトレード: 短期間で価格変動を利用して利益を得る方法です。市場の動きを短期的に予測し、頻繁に売買を繰り返します。
- スイングトレード: 数日から数週間の期間で取引を行い、中期的な価格変動を狙います。
- ポジショントレード: 数か月から数年の長期的な視点で暗号通貨を保有し、価格の大幅な上昇を狙います。
この辺りは株やFXと同じですね。現物買い以外にも先物取引やデリバティブ取引も盛んです。自動売買のプログラムを組んで売買する人はboter(自動売買ボットを使って取引する人)と呼ばれています。
2. ステーキング
- ステーキング報酬: 一定の暗号通貨を保有し、ネットワークの運営に参加することで報酬を得る方法です。PoS(プルーフ・オブ・ステーク)モデルに基づいています。
- 自分が直接参加することをステーキング、マスターノードやノード運営する他者に暗号通貨を預けて参加してもらう方法をデリゲートと呼び区別する場合があります。両方ともブロックチェーンネットワークのセキュリティを強化し、トランザクションの検証やブロック生成に貢献するための仕組みに参加する点では共通です。
3. マイニング
- PoW(プルーフ・オブ・ワーク)マイニング: コンピューターの計算能力を使って取引を検証し、新しいコインを得る方法です。ビットコインが代表例です。自分でCPUやGPUを用意して、マイニングプログラムをインストールし稼働させます。複数台の装置を稼働させるのですが、マイニングの為に専用設備を用意する場合、マイニングリグと呼ぶことがあります。
- クラウドマイニング: マイニングリグを自分で購入せず、クラウドサービスを利用してマイニングに参加する方法です。
- 流動性マイニング:自分でマイニングリグやノード運営(後述)を行うのではなく、暗号通貨取引所が暗号通貨を両替する際の準備金を提供することで、報酬を得る方法です。サーバー運営の機材投資や運営工数を負担するのではなく、暗号通貨を預けるだけで参加できる手軽さがありますが、損失を被るリスクもあります。イールドファーミングと呼ばれることもあります。
4. マスターノード
- マスターノード報酬: 暗号通貨は特定の企業が全ての機能を提供するのではなく、利用者コミュニティが運営に関わる仕組みを備えていることが多いです。マスターノード運営は、自分がサービス運営するサーバーを提供し、サービス運営に関わることで報酬を得る制度に参加して収益を得る取り組みです。
- 暗号通貨は他の暗号通貨や現金と互換性のあるバーチャルなお金です。そのお金は特定のサービスと結びつく場合もあります。暗号通貨を発行し、だれがどの程度の通貨をだれとやり取りしたかを管理する仕組みで支えられています。
- このプログラムは運営が初めに用意するのですが、多数の利用者が利用するようになると、サービス提供するためのサーバーの費用が問題になります。
- このサーバーを提供し、サービス運営を手伝うことがマスターノードの業務になります。
- 参加のためには、一定量の暗号通貨を保有し、ネットワークの特定の機能(トランザクションの確認、プライバシー強化など)を提供する必要があります。DASHやHorizen(ZEN)などで採用されています。
- その為、マスターノードを運営するためには、サーバー管理の専門知識を備えている必要があります。
- マスターノードまたはその一部の機能を担当するノード運営には一定の準備金が必要です。その資金を提供することをデリゲートと呼びます。デリゲートした人はノード運営者から報酬を得ることができます。
5. レンディング
- 暗号通貨の貸出: 保有する暗号通貨を他者に貸し出し、利息を得る方法です。暗号通貨は銀行や両替商、証券取引所などの従来の金融業がはたしてきた機能を、全て新しいプレイヤーや利用者自身で協力して運営していくアプローチをとることが多いです。金融面での分散型の取り組みがDefi(ディーファイ、ディフィー)と呼ばれています。
- レンディングプラットフォームもその一つで、ビットコインを売却せずに保有している人が、ビットコインをレンディングプラットフォームに預けることで、利子をつけて返してもらうことができます。年利が10%以上になることも多く、ビットコインを長期保有したい人にとっては、魅力的に投資方法になっています。
- リスクとしては銀行などとことなり、政府が認めた救済手段を持っていない点が挙げられます。レンディングプラットフォーム自体が経営破綻する可能性や、ハッキングを受けて預けた暗号通貨を盗まれてしまう場合、預けた暗号通貨が返ってこない可能性があります。
6. イールドファーミング
- DeFi(分散型金融)プラットフォームを利用した利回りの獲得: 特定のプールに暗号通貨を預け、流動性を提供することで報酬を得る方法です。
7. NFT(非代替性トークン)の取引
- NFTの作成と販売: デジタルアートやコレクティブルを作成し、マーケットプレイスで販売します。
- NFTの投資: 価値が上昇することを期待してNFTを購入し、後に高値で売却します。
8. アフィリエイトプログラム
- アフィリエイト報酬: 暗号通貨関連サービスや取引所の紹介リンクを通じて新規ユーザーを誘導し、紹介料を得る方法です。暗号通貨取引所での口座開設や、取引方法を良く知っている人は少数です。何ができて何ができないかを案内したり、具体的な手順を紹介してくれる人やサイトは大変価値があります。
- 例えば国内の暗号通貨の取引所ではステーキングなどの運用ができず、プライベートウォレットへの送金もできない場合があります。知らずに購入して運用しようとしてもできないなどのデメリットをきちんと伝え、お得な運用方法を伝えるなどの情報提供をきちんとおこなうアフィリエイターは読者にも感謝されることでしょう。
- 報酬としては用意されたアフィリエイトコードを経由して登録するだけでは報酬がもらえないことが多いです。そこで取引をおこなった手数料から報酬が支払われるので、逆に言うと、取引が続く限り手数料が入ってきます。
9. エアドロップ
- エアドロップ報酬: プロジェクトがプロモーションの一環として無料で配布する暗号通貨を受け取る方法です。数年前までは特定のコイン保有者におまけとして配布されるケースやTwitterなどのSNSでフォローする、リプライするなどの認知度の工場への協力を条件に配布されるケースが主流でしたが、最近では暗号通貨自体がDefiやゲームと言ったサービスなどと結びつくケースが増えてきた為、サービスの初期ユーザー獲得のために利用されることが増えてきました。その結果、利用者がサービスを沢山利用するとエアドロップも増える形に変わってきています。(ゲームの場合、沢山プレイする、ステージをクリアするなど)
- また初期の資金集めを目的にしているエアドロップも増えており、100USDTを入金しないと参加できないなどの取り組みも出てきています。
10. バグバウンティ
- バグ発見報酬: 暗号通貨プロジェクトやプラットフォームのセキュリティホールやバグを発見し、報告することで報酬を得る方法です。プログラムのスキルや暗号通貨経済圏に詳しい人でなければできない仕事ですが、業界特化型の働き方が生まれようとしています。
暗号通貨の経済圏の拡大
暗号通貨はビットコインのような国の発行する通貨ではない新しい通貨として存在感を増していますが、それだけではなく、新しいサービスと紐づくトークンエコノミーを支えるお金への進化し用としています。暗号通貨に対応するゲームで、ゲーム内のお金でピザを頼める、などの世界観へ広がりつつあるわけです。
それに伴って稼ぎ方も多様化しています。パソコンでゲームをしていたらお金持ちになるという暗号通貨ドリームもあります。(歩くことでお金を稼げるを標榜したSTEPN、写真を撮って共有することで稼げるSNPITなど)