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    ARUHI(アルヒ株式会社)の臨時株主総会に出席したら、ビックリするほど大荒れでした

    投資と詐欺編集部でも優良株をチェックしておりますが、このARUHIという会社、非常に配当利回りが高いため、一部の方はよくご存知だと思います。
    今回は、投資と詐欺編集部のメンバーがARUHIの株を持っていたことから招集通知が届きましたので、せっかくの機会に現地参加をして参りました。

    そもそもARUHIってどんな銘柄?

    冒頭でも申した通り、ARUHIは高配当株として良くランキングにも登場してきます。2023年1月16日時点の情報では配当利回り5.46%ということですので、いまだに高い配当利回りが期待できる会社と思われます。一株あたり1006円ですので、単元株を購入した場合、約10万円必要となりますが、その場合は5,500円程度の配当が期待できるという訳です。

    Stockweather(https://finance.stokweather.co.jp)よりARUHI株を表示

    なお、アルヒ株式会社は2022年9月から11月までSBIホールディングスにより1株1,500円でTOBが行われており、そのタイミングが見事に株価に反映されていますが、以降は1,000円付近で落ち着いている状況です。

    Stockweather(https://finance.stokweather.co.jp)よりARUHI株を表示

    臨時株主総会の議案は何だったのか?

    さて、本題に戻りますが今回の臨時株主総会ですが、一体何が議案だったのでしょうか?内容を詳しく見ていきたいと思います。

    第1号議案 定款一部変更の件
     これは具体的にはバーチャルオンリーの株主総会の開催です。なお、2022年の株主総会はバーチャルオンリーの株主総会を既に実施していました。ただ、定常的にこれを実現するためには定款の変更が必要という訳です。そのため、今回の臨時株主総会で議案が付議されたということになります。

    内容の説明の際に、感染症の拡大や自然災害、大規模災害に備えてという名目で定款の変更を行うということですが、ハイブリッド形式(WEB形式と会場でのリアル形式の組み合わせ)という選択肢もあります。あえて、このタイミングで定款変更を行う必要があるのかとても疑問に感じました。

    経済産業省:場所の定めのない株主総会(バーチャルオンリー株主総会)関する制度
    https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/keizaihousei/virtual-only-shareholders-meeting.html

    第2号議案 取締役2名選任の件
     太田智彦氏はSBIホールディングスの傘下に加わったことから、SBIマネープラザ株式会社の代表取締役執行役員社長と兼職ということですので、SBIとのシナジーを期待しての取締役就任ということのようです。
     吉村猛氏は株式会社山口フィナンシャルグループの代表取締役会長グループCEOからアルヒへの転籍ということで、地方銀行としての視点と事業戦略構築の知見から客観的かつ長期的な助言・監督を期待されての就任ということでした。

    この2名が今回新たに加わったことで、ARUHIにとってどのような変化が起こるのか興味を引くところではあります。

    総会は「大荒れ」となりました

     今回の株主総会、淡々と進むのかと思ったのですが、総会が始まるやいなや、怒号が飛び交いました。声の主はアルヒ&フラット35の被害者の方ようで、不正融資問題の解決が遅々として進まないことに声を上げたようでした。

    質疑もかなりの数の質疑がありましたが、やはり不正融資関連の質疑も多く、今後の株価への影響を懸念する株主の興味も高かったのではないかと思われます。
    筆者は、過去のスルガ銀行の不正融資事件が発覚した際のスルガ銀行の株価を連想してしまいまいた。スルガ銀行の時は不正融資が発覚する前の2018年1月時点では2,400円あった株価が2018年12月時点では400円台まで落ち込みました。実に1/6にまで落ち込んだ形です。なお、スルガ銀行は不正融資問題が未だ解決しておらず、未だに株価は回復できておりません。

    特に今回の臨時株主総会で問題だと感じたのは、勝屋社長の強引な議事進行です。
    株主の不規則発言を制する必要があるのは分かりますが、株主の質問に対してきちんと答えていれば不規則発言など起こらないはずです。都合の悪い質問はスルーしたり、質問の答えになっていない回答に終始したりを繰り返しておりました。

    さらに酷かったのは、議長の不信任議案に対する動議への対応です。
    途中、このような議事進行に我慢できなくなった株主が議長交代の動議を提出されたのですが、その採決方法が不信任議案に対して「反対」の方(なぜか賛成では無い)という採決の取り方で、拍手の数もまばらだった(印象としては多くて10名程度の拍手だったと思います)のにも関わらず、反対多数で否決されました。と驚くような採決の取り方をされていた点です。

    また、途中この議事進行に不満を持った株主の方が1名、議長との対話を希望し着席の指示に対して抵抗するという一幕がありました。かなり早いタイミングで議長から退場を宣告され、一触即発、警備員が2名駆け寄るという場面があり、見ている方は非常にヒヤヒヤしました。

    今後のARUHIの動向は?

    アルヒ株式会社はSBIホールディング傘下に入り、今後の株価や高配当が期待できる反面、フラット35を利用した不正融資の被害が未だにくすぶっており、非常に先行き不透明と感じました。この問題に対して舵取りを間違えるとスルガ銀行の時のように「ARUHIショック」が起こってしまうことも考えられます。もし、新規に株の購入を検討されている場合は、この問題の動向に注視する必要があります。筆者は高配当株として買い増しを考えていましたが暫く様子をみようと思いました。皆さんはこのアルヒ株式会社、どう判断されますか?

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    投資と詐欺編集部
    投資と詐欺編集部
    「投資と詐欺」編集部です。かつては一部の富裕層や専門家だけが行う特別な活動だった投資ですが、今では一般の消費者にも未来の自分の生活を守るためにチャレンジしなくてはいけない必須科目になりました。「投資は自己責任」とよく言われるのですが、人を騙す詐欺事件は後を絶ちません。消費者が身を守りながら将来の生活に備えるための情報発信を行なっていきます。

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