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    2022年上半期は靴系アプリが話題を席巻!WEB3.0らしさあふれるNFTゲームの代表格STEPN

    WEB3.0とNFTゲームの勃興

    仮想通貨は、同じ価値観を共有するコミュニティが自発的に開発するだけではなく、特定の世界観を実現する社会起業の一環として発行されることが増えてきました。単純なお金の代わりというだけの存在ではなく、オンラインゲームの報酬やソーシャルレンディングのための資金、芸術作品やソフトウェア開発への報酬(投げ銭)のように、ある活動を活性化させるための仕組みとして仮想通貨が利用されるようになってきたのです。

    単純な投機の対象ではなく、特定の世界観に基づいて運営されるようになったことで、投機の対象から生活や文化の一部へと仮想通貨が進出し、人々の生活と仮想通貨が関わり合うようになってきた時代がWEB3.0時代ということができるでしょう。そんなWEB3.0らしい使われ方をしている例として、STEPNをご紹介します。STEPNは「アプリをスマートフォンにインストールしてから現実世界で歩いたり走ったりすることで仮想通貨を稼ぐことができるNFTゲーム」です。

    リアルとバーチャルをつなぐゲームとしては、ポケモンGOやドラゴンクエストウォークなどのゲームがスマホでプレイできるようになっています。STEPNはこうした通常のゲームアプリと違い、プレイするためのアイテムを仮想通貨で購入し、プレイすることで仮想通貨が報酬で支払われるという点で異なっています。課金しないと遊べないわけです。しかも課金アイテムの購入金額が安くはありません。100円や1000円という単位ではなく、9万円するNFTスニーカーを購入しないと報酬が発生しない、など高額になっています。

    STEPNのNFTスニーカーは、「STEPN」アプリ内のマーケットプレイスか、Magic Edenで購入可能です。NFTでスニーカーを入手し、移動することで稼ぐことができるNFTゲームです。

    歩いて稼ぐ!「Move to Earn」

    STEPNはSolana(ソラナ)ブロックチェーンを利用しており、スニーカーはSOLという暗号資産で入手します。スニーカーを購入して、アプリを使いながら歩くと、仮想通貨、GST(Green Satoshi Token)やGMT(Green Metaverse Token)を入手できます。ゲームを利用するとお金がもらえるわけですが、どんな収益機会があるかこれから見ていきましょう。

    1移動して稼ぐ

    利用者は初期にNFTスニーカーを購入し、歩くことで報酬を得ることができます。どれだけ稼げるかは、その日の運動量によって変わりますが、始めたばかりでも1日1500円稼げたという報告があります。このペースだと、1.5~2か月で元手を回収することが可能です。ただし、運動するには画面上でエネルギーをためる必要があり、6時間ごとに25%のエネルギーが回復するようになっています。エネルギーの上限値を上げるには、運動してレベルを上げるか、スニーカーを増やすか、レアなスニーカーを入手する必要があります。

    2ノードを作って稼ぐ

    ステップンにはジムというサークルのような集まりを創る機能があります。自分が招待したことで利用を始めた人が多いほど、収益が上がります。

    3仮想通貨の値上がりで稼ぐ

    STEPNが、流行るほどGMTやGSTの価値が高くなる可能性もありますし、連動しているSOLの価値も向上するかもしれません。

    4NFTスニーカーを売って稼ぐ

    スニーカーのレベルアップ機能やスニーカーの売却を活用することでさらなる投資対象として注目されています。

    5人に貸して稼ぐ

    NFTスニーカーは数万円単位で取引されているので、安くはありません。そこで現在このスニーカーをレンタルできる制度の実装が検討されていると言います。今後他人にレンタルすることで、報酬を得ることも可能になるでしょう。

    詐欺のリスクは?

    STEPNの収益バランスが崩れるとポンジースキームのように破綻してしまう可能性があります。初期のNFTスニーカーの購入費用が高額で、参加者が右肩上がりだから成り立つ収益モデルが、利用者の減少やNFTスニーカーの売上の減少が発生した際に、報酬を支払うことができる水準を維持できず、報酬の支払い遅延や仮想通貨自体の価値毀損を招く可能性があります。絶えず成長を続けるSTEPNのビジネスモデルや収益状況には注意を払い続ける必要があるでしょう。

    また後追いで、類似のゲームが多く登場しています。その増加ぶりは靴系NFTゲームという形で2022年上半期を大きく特徴付けるほどです。STEPNよりもより体制が脆弱な運営体制で運営している類似ゲームの経営の健全性はSTEPNよりも不安定になる可能性があります。意図的な詐欺運営者の登場も懸念されるところです。

    同じ歩くのだからあれもこれもやれば稼げる仮想通貨も増える、という利用者側の思惑にたいして多くの運営者が追随している現状は注意が必要だと言えるでしょう。

    また、詳細は不明ですが、NFTスニーカーを入手するには、安い物で約9万円かかり、これが不当に高値で売買される恐れがあります。

    STEPN、始めるべき?やるとしたらどう取り組むべき?

    STEPNは大きく話題になっていますが、リスクも存在することを理解した上で、興味がある人はぜひ始めてみましょう。STEPNはSolana(ソラナ)とBSC(バイナンススマートチェーン)のマルチチェーン対応をしたことで、今までよりより多くのユーザーを集められる下地が整っているゲームです。類似のゲームに比べると、大手スポーツブランドとのタイアップや参加者の多さなどで運営主体の活動量は評価できると思われます。

    STEPNにはアシックスとのコラボレーションNFTスニーカーがあり、最低価格は1足15.8BNB(約81万8千円)、最高価格はなんと200BNB(約1030万円)で販売されています。このように、レアスニーカーが高値で取引される可能性が今後もあります。

    スニーカーを購入したい新規参入者に取っては、相場が下がっているタイミングが購入しやすいタイミングです。運動不足の人や、散歩が習慣の人に取っては取り組みを開始しやすいといえます。

    また、STEPNには保有する2つのスニーカーを組み合せて、新たな1つのスニーカーを作り出す機能(mint機能)があるなど、ゲームとしての市場開拓の余地があると言えます。

    投資と詐欺編集部
    投資と詐欺編集部
    「投資と詐欺」編集部です。かつては一部の富裕層や専門家だけが行う特別な活動だった投資ですが、今では一般の消費者にも未来の自分の生活を守るためにチャレンジしなくてはいけない必須科目になりました。「投資は自己責任」とよく言われるのですが、人を騙す詐欺事件は後を絶ちません。消費者が身を守りながら将来の生活に備えるための情報発信を行なっていきます。

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