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    被害者団体幹部を直撃!株主総会中止の仮処分申請の様子は?静岡地裁が下した判断は?(6/27 21:30追記)

    前回お知らせしたように、スルガ銀行不正融資被害者たちは、スルガ銀行の株を集団で購入し、6月29日に迫った株主総会において共同で株主提案を行っています。それに対しスルガ銀行は例年までの先着順の株主総会参加を改め、抽選制を打ち出しました。このスルガ銀行の決定を不服として、スルガ銀行不正融資被害者団体は静岡地裁に株主の総会参加および発言の機会を制限する不当な取り組みであるとして、株主総会の中止を求める仮処分申請を行いました。実際に6月25日に静岡地裁で仮処分に関して被害者とスルガ銀行が裁判官に対して意見を申し立てる場があり、被害者幹部らが弁護士とともに出席してきたということです。

    投資と詐欺編集部では、被害者団体幹部に電話インタヴューを行い現在の状況を取材しました。

    被害者団体幹部が語る静岡地裁での審尋

    ―静岡地裁での審尋(しんじん)の雰囲気はどうでしたでしょうか?

    SI被害者同盟幹部:静岡地裁は冷静に私たちの主張を聞いてくれました。一方でスルガ銀行側の弁護士は非常に攻撃的というか、裁判官に注意をうけるほど私たちを挑発、反論というか論点のすり替えのような主張を行ってきた印象があります。

    ーどんな発言がありましたか?

    SI被害者同盟幹部:たとえばスルガ銀行側の弁護士からは『ご存じないかもしれないのでご説明すると、、』というような言い回しで、会社法の講釈をするなど法律の専門家である裁判官に対して失礼な物言いをしていましたね。

    傍聴していて非常に攻撃的な説明だと感じましが、その場で裁判官にたしなめられていたので、スルガ銀行側の弁護士は相当攻撃的だったのかなと思います。このほかにも折に触れとげのある言い回しが多かったと思います。私たちの主張の本質はそこにないことが判っていながら論点をすり替えるような言い回しが印象に残っています。また、我々のことを総会屋呼ばわりしていました。昨年の株主総会で我々被害者が騒ぎ立てたと言っていましたが、そもそも動議を無視したり、質問へきちんと回答していないのに質問を終わらせたり、そういった議事進行の問題点を棚に上げて、驚くような発言をされていたと思います。

    ー裁判官側はどのような対応でしたか?

    SI被害者同盟幹部:私たちの訴えに関して、ちゃんと受け止めてくれていると感じました。「今回は29日に総会が開催される予定なので、早期の決断が必要であり、なるべく月曜日に判断を下せるように努力する」、というニュアンスで説明がありました。

    ーどのような結果を期待していますか?

    SI被害者同盟幹部:現状は裁判所の何らかの判断がでるのを待っている状態ですが、私たちの目的は株主総会の中止ではありません。株主提案している株主が参加できないのがおかしいので、参加させてほしいと伝えているのです。それができないうちに、スルガ銀行側が無理やり株主総会を開催しようとしているから中止を訴えているのです。株主提案していて総会に参加の意思がある株主がきちんと参加でき、発言できる形での株主総会の開催を期待しています。スルガ銀行は私たちの株主提案をすべて却下していますが、私たちはこの件に関して意見を交わしたいのです。
    そもそもコロナ禍を理由に昨年より座席数を制限するというのはおかしな話です。会場にもコロナ対策用の座席数の規定があるのですが、今回入場可能な人数はその座席数の半分以下になっているのです。緊急事態宣言が出されているならまだしも、今このタイミングでこの制限は明らかに我々を排除しようとしているのではないかと思います。

    ***

    スルガ銀行の株主総会中止の仮処分申請を求めているスルガ銀行不正融資被害者たち。対話の場から排除されたことへの抗議ときちんとした対話を求めての行動でしたが、開催期日が間近に迫る株主総会は果たして開催されるのか、中止となるのか注目が集まっていました。

    静岡地裁沼津支部は被害者株主らの申し立てを却下(6/27 21:30追記)

    現時点ではまだ答えは出ていない状況ですが、開催前の27日月曜日もしくは28日火曜日には、静岡地裁から何らかの判断が下される見込みであるということが判りました。開催差し止めが命令されても、命令されなくても世間の耳目を集める結果となるスルガ銀行の株主総会の開催日である6月29日まであと数日となりました。

    こうした状況の中、2022年6月27日に静岡地裁は被害者株主たちの申し立てを正式に却下しました。理由としては、経済産業省の定める株主総会運営に係るQ&Aというガイドラインに照らし合わせても抽選制に問題がないこと、前年度に興奮した株主が係員の制止を押し切り詰め寄った一幕もあったため、会場のキャパシティよりも少なめの収容人数としている点に問題はないと判断したとのことです。また株主提案を行っている株主の権利の面でも、今回303名の株主が連帯して株主提案をおこなっているため、全員が出席しなくても株主の意見は主張できるはず、という判断を下した形です。

    6月29日の株主総会を前に、緊迫したやり取りが続くスルガ銀行と被害者たち。当日は果たしてデモなどが行われるのか。株主総会では、スルガ銀行役員と株主提案した株主の対話は十分なされるのか。投資と詐欺編集部では、スルガ銀行の株主総会当日も現地から状況を取材する予定です。

    投資と詐欺編集部
    投資と詐欺編集部
    「投資と詐欺」編集部です。かつては一部の富裕層や専門家だけが行う特別な活動だった投資ですが、今では一般の消費者にも未来の自分の生活を守るためにチャレンジしなくてはいけない必須科目になりました。「投資は自己責任」とよく言われるのですが、人を騙す詐欺事件は後を絶ちません。消費者が身を守りながら将来の生活に備えるための情報発信を行なっていきます。

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