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暗号資産は儲かるのか?マイニングは?

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仮想通貨、暗号資産など名称を変えながらも、投資家から大きな注目を集めるアルトコイン。国家が発行する通貨に代替する通貨としてだれかが与信を付与しているわけではない資産は値動きの激しさをよく知られるものの、実態をよくしらない方も多いはず。

この分野は果たして儲かるのか、損しないのか、詐欺などの心配はないのか?一緒に考えていきましょう。

有名どころはビットコイン

暗号資産とよばれることになったアルトコインの代表格がビットコイン。だいぶあがったとニュースで取り上げられることも増えたが、過去のデータを一度振り返ってみます。

2014年から2022年をこうして一気に見てみると、大きく価値を上げたまさに「奇跡の資産」。ビットコインは2018年に200万円台まで急上昇した後、2019年まで下げ続け、大きな失望感があったのですが、2021年には大きく価格上昇。800万円台まで値を上げました。その後また急落し、現在は500万円台を上下する状況です。

価値を大きく伸ばすのはビットコインだけではない。

2021年4月20日時点で、過去1週間に値動きが最も激しかった通貨を並べてみました。1週間で4万%も価格上昇があった通貨もありますね。400倍になったと考えると、まさにギャンブル的な値動きだといえるでしょう。

投資としてどうなのか?

安定投資という観点からいうと、まったく信用するべきではない値動きを見せる暗号資産。値動きが激しすぎて、一気に資産価値を棄損する可能性があるので、1点投資すると人生を大きく破綻させてしまう可能性すらあります。しかしゆとり資金を預けてみる対象としては面白いのではないでしょうか。例えば1コインだけビットコインを2014年に持っていた人は、10万円ちょっとの価値が500万円まで上がったことになるわけです。しかし、、これは投資の中でもギャンブル性がたか投機的な性格が強いです。楽しんでロトや宝くじを買う感覚でいるほうが適切だといえるかもしれません。

では暗号資産を掘るマイニングは?

パソコンを使って暗号資産を掘りだすマイニングという接し方もあります。仮想通貨のマイニングという呼び名でニュースにもなりましたが、2017年につづき、2021年もマイニングが大きくクローズアップされた年となりました。これは自宅でテレワークするコンピュータに明るい層が、自宅にコンピュータを置き、内職的に取り組んだことも大きな要因だといえるかもしれません。

仮想通貨のマイニングとは、仮想通貨のセキュリティを守る仕組みに協力することで、支払われる報酬を得ることをいいます。仮想通貨には運営事務局のような開発元、運営する中核組織が存在します。最近では企業が主体になって運営する場合もありますが、有志が企画し運営する場合が多い印象。多くの場合、開発の陣頭指揮を執る人はいても、責任を取る主体者はいません。損をしたり、価値がなくなってもだれも保証してくれないわけです。それでもアルトコインの価値が上がっていくのは、このアルトコインが偽造できず、市場で取引できる資産だと位置づけられているからです。

マイニングはこの「だれから責任をもって流通をおこない、取引時の偽造や不正を防ぐ」という役割に協力することをいいます。詳しい仕組みの解説は省きますが、もっているパソコンにソフトウェアをインストールし、登録することで、自分のパソコンにセキュリティを守るための暗号処理を手伝わせることができ、その貢献に応じて報酬を得る仕組みとなっています。パソコンの性能を貸し出すことで運営に協力し、対価として仮想通貨をもらうという稼ぎ方ですね。

Googleの画像検索で、マイニングリグと検索すると表示された結果

このマイニングは当初は企業や個人が持っているパソコンでも貢献ができます。CADソフトで住宅や機械部品の設計を行う設計者やWEBデザインを行うデザイナーが持っている高性能なパソコンの性能を使っていない夜中だけ貸し出せば一日数百円程度収入を得ることができるのです。その手軽さがウケ、参加者が増えました。マイナーと呼ばれる人ですね。1日に数千円稼ぐ人もざらにいましたので、性能を追加するためのパーツを大人買いするマイナーがあっという間に増えたといわれています。

その結果、収益に貢献するパーツを増設した専用マシン(マイニングリグと呼ばれている)を用意して、通常のパソコンとは大きく見た目も機能も異なる専用機械に投資する動きも現れました。これがマイニングブームと呼ばれる一大バブルの動きにつながっていきます。

マイニングリグは、GPUとよばれるパソコンのグラフィック性能を発揮させるための部品を用います。マイニングブームの過熱で、GPU価格は2倍から4倍に高騰しました。日本全国のみならず、世界中でGPUが高騰し店頭から姿を消す事態につながり、メーカーがマイニングに対する機能制限をかける事態にもつながったほどです。そして政府を動かすほどにもなります。エルサルバドルは法定通貨の一つとしてビットコインを採用しています。ヨーロッパにも公共料金や税金の支払いにビットコインを認めている国もあります。こうした仮想通貨を認める動きと反対に、その影響力の大きさに対策するために中国やインドでは規制の動きもあります。

ビットコインの成功を受けて、おなじような仕組み(ブロックチェーンと呼ばれる一台の高性能マシンではなく、複数台のパソコンを仮想的につなげて処理する方式)で運営される仮想通貨が多数生まれています。この総称がアルトコインです。アルトコインを取引する市場で取り扱われることを、株式と同じように上場と呼ぶのですが、上場すると大きく価値があがります。またEVメーカーのテスラが車の決済にビットコインを認めると発表すると価格が急騰するように、そもそも価値を裏付ける経済価値が希薄で、価値がきっとあるに違いないという関係者の思惑で価値が形成されているので、うわさや提携話といった市場の空気感で価格が上下しやすい資産です。(このあたり金取引や先物取引と大きく違う点です)

2021年に注目を集めた仮想通貨としてイーサリアムが発行する「イーサ」があげられますが、マイニングに取り組むマイナーの数が急増し収益性が悪化しています。仮想通貨はどんどん発行を続けると希少性が薄れ価値が維持できないとの考えから、発行する時期を絞ったり発行総量を事前に定めるようになっていることが多いです。イーサリアムに関しては、2021年夏には採掘停止期間に入るという事前告知もあったのですが、何度か期間が順延して2022年をむかえています。通貨運営元による難易度調整と採掘停止期間が間近に迫ったこともあり急速に熱が冷めて採掘を停止するマイナーも増加するなど、見ている分に興味深いのですが、実際にだれでも簡単にマイニングに取り組めるといえるほどかは、微妙なところです。実際にやろうと思えばできるのですが、学習コストが一定以上かかる上に、仕組み自体が大きく変わるリスクと闘っていく必要があります。またちゃんと相談できる窓口がありません。

仮想通貨をめぐる詐欺事件も発生

上場すれば価値が大きくあがる。いきなり億り人になれるという夢があるアルトコインですが、その大きなリターンに群がる投資家を騙すために暗躍する詐欺師も多く存在します。その一つがイカゲームコイン詐欺です。

イカゲームという韓国の映画にちなんだSquid Game Token(イカゲームコイン)という仮想通貨を発行するという触れ込みで、コインを発行し勧誘を行う動きが広がりました。Squid Game tokenは開発中のイカゲームにインスパイアされたオンラインゲームをプレイするために必要という触れ込みでした。そしてゲームに勝利するとMarble tokenが得られ、両方を使って換金するという仕組みと説明されていたようです。オンラインゲームが開催されるまでは誰も換金できない、そんなだれも逃げられない状況を作った上でイカゲームコインは急騰を見せていきます。そして最高値を付けたときに、開発者は手持ちのSquid Game Token全てを売却し、推定2~3億円を持ち逃げするという事件を引き起こした。価値は瞬間的に暴落。典型的な取り込み詐欺だといえるでしょう。Squid Game tokenのホームページや開発者のSNSなど痕跡は全て一夜のうちに消えてしまったそうです。

ほかにも初めに一定金額を購入すると、持ち分に合わせて還元されるという手法で勢力を伸ばしているアルトコインもある。新規に生まれるアルトコインは様々な手法で運営され、加入者を増やそうと取り組んでいるが、加入者から初期費用をだまし取り、一定期間還元を行うが、あるタイミングで資金を持ち逃げするポンジースキームの可能性が付きまとうので、大きなリスクが存在します。

真贋がはっきりしないアルトコインに投資する際は、本当に信頼できるのか自分なりに見極めが必要だし、いま出資する金額が高いリスクを理解し、肚を決めて取り組む必要があるといえるでしょう。

暗号資産は資産として購入したり、マイニングという形で自分が運営に協力し、報酬を得ることができる。儲かる場合もあるが価値がなくなる場合もあります。いずれのケースでも大きなチャンスと大きなリスクがあります。

限られた関係者だけしか取り組めないような大きなビジネスチャンスにだれでも挑めるという意味では、リスクが大きなリターンを生む一獲千金の舞台です。気を抜くと価値がゼロになるかもしれない、緊張感の漂う取り組み甲斐のある分野だといえるでしょう。

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