最近暗号通貨のことをよく聞くことも多いでしょうが、暗号通貨自体が新しい概念で、ビジネスとしての関わり方や消費者としての関わり方は難しいと感じる方も多いでしょう。新しいチャンスにはリスクもつきものです。
暗号通貨にはいろいろな銘柄がありますが、ただ投機的に買って値上がりを期待するだけの存在ではありません。投資と詐欺編集部では、大きく分けると2つの種類に分けられると考えています。
一つ目はビットコインのようにコモディティに近い、決済だけのための暗号通貨を提供するプラットフォーム。ミームコインと呼ばれたりします。投機的な対象になっているものも少なくありませんが、市場の相場によって価値が相当変動します。
もう一つは、ブロックチェーン技術を使ったサービス提供型プラットフォームです。たとえばNFTの流通市場プラットフォームや、物流を管理するトレーサビリティの仕組みを管理するプラットフォーム、GPUの計算能力をクラウドで提供することができるようにするプラットフォームなど、ユースケースと表現されるような、実際のサービスに紐づいているものですね。
実際にハイテク系サービスが雨後の筍のように生まれ出ているのがWEB3.0の現状であり、暗号通貨群の現状だといえます。
目次
暗号通貨の調査をしているうちに詐欺に出くわした話
そんな新しいプラットフォームの一つとして、自家発電した電力を流通させる国際的なプラットフォームを立ち上げようとするオーストラリアの暗号資産プラットフォーム「powerledgers」の調査を行っているときのことです。海外の暗号通貨プラットフォームの多くは、テレグラムやディスコードの中でコミュニティを形成しています。powerledgersにも公式テレグラムがあるので、参加しました。このコミュニティには、事前登録などが不要でだれでも加入できます。
テレグラムに入会すると、3分もたたないうちに電話がなりました。海外からの電話で、表示名はHELPDESKと表示されました。テレグラムからの着信です。かなり怖かったのですが、おそるおそる出てみました。(英語もしゃべれないのに)
記者は英語は大変不得手で、海外旅行も行きません。頼みのGoogle翻訳もスマホで通話を受けてしまったので使えません。英語でなにやら説明をはじめたのですが、「i don’t speak English.Japanese only.」と繰り返したところ、「OK」と返事がきて、なにやらテレグラムにメッセージが来ました。
「なんか日本語でメッセージがきたけど、、、このURLにアクセスしろっていうことかな。。。」
とりあえず電話ありがとうと打ってみたものの、URLを示されたページを見ると、IDとパスワードとキーフレーズを入力すると書かれていました。典型的なAirDrop詐欺でした。
AirDrop詐欺は3分であなたに電話をかけてくる
AirDropという言葉をご存じでしょうか。所定の条件を満たすと暗号通貨の運営元や取引所から一定金額の暗号通貨が配布されることを指します。運営元としては、広告を行うよりも安価に実際に使ってくれる利用者を獲得することができるプロモーション手段になります。暗号通貨のプラットフォームでは一般的な告知方法なのですが、配布に当たっては振込先の口座にあたるウォレットのURLを伝える必要があります。あくまで振込先を教えるだけでよいのですが、悪質なケースではウォレットのログイン用IDと秘密のキーワードフレーズを入力しないといけないと嘘の案内を行って、ウォレットに不正にログインし、残金を全部盗み取ろうとする悪質なケースも存在します。
実際に、記者が遭遇したのが、そのAirdrop詐欺です。この暗号通貨のプラットフォームが悪質ではなく、狙われているということは、登録して3分で詐欺の魔の手がのびてきてしまうということなのです。
自己責任で自己防衛しよう
公式テレグラムにも「Powerledgers team members will never message you first! Be weary of scams, please report and block.」(パワーレッジャーのチームメンバーは、あなたにしょっぱな連絡したりはしません!詐欺に気を付けて、(運営に)報告してから、ブロックしてください」としっかり警告されています。他の暗号通貨ではこのようなことにはならなかったので、運営体制のしっかり度は反映されているかもしれませんが、悪気はないと思います。
「どんなにメリットがあるような申し出でも怪しいと思ったら無視をしたほうがよい」ということはしっかりお伝えしたいと思います。