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ポンジスキーム

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さまざまな投資詐欺のひな形になったポンジスキームとは

日本語では出資金詐欺と呼ばれる詐欺の手法です。詐欺師が出資金に応じた配当を支払うことを約束して事業への出資を募ります。実際は出資金を投資や運用には利用しないので、配当金の支払いに回します。さも事業が順調なように演出しながら、出資者の友人や知人も加入するように勧誘を促したり、広告などを積極的に展開します。十分な規模の出資を集めたら計画倒産して行方をくらまします。

日本では安愚楽牧場詐欺事件などで見られるスキームです。スルガ銀行不正融資の対象となったシェアハウスも変形したポンジスキームだったといえます。

ちゃんとお金が入るから詐欺と気が付かない!

ポンジスキームは被害者が被害にあったことを気が付きにくい点が非常に悪質です。実際には事業に利用されない出資金を集めて、配当として実際に支払いをおこなうことで、出資者は事業が順調であると誤解してしまいます。広告塔として芸能人を起用したテレビCMや雑誌広告を積極的に展開するので、被害が明るみに出る前に、多くの出資者を集めてしまいます。最初に出資者には配当が支払われますが、詐欺末期になればなるほど配当がとどこおったり、支払われなくなります。そのため気が付かないうちに巨額の被害と多くの被害者を生み出してしまうのです。

集めた資金で自転車操業。気づかれないうちに被害拡大

詐欺師は、出資者に対して、事業が順調に拡大していることを繰り返し伝え、追加の投資を誘います。また「家族や友人と一緒に経済的な自由を達成しよう」という形で勧誘を依頼します。紹介者にはキックバックを用意するケースもあり、実際に自分が配当を得ているので、だまされていることに気が付かないうちに、被害者自身が詐欺の片棒を担いでしまうため、被害がどんどん拡大していきます。

配当金は増えることはあっても減ることはありません。出資者の増加ペースと配当金の支払いはバランスが取れなくなります。実際に運用されることはないので、出資金は減る一方です。詐欺師は出資金と配当金のバランスを巧みに計算し、自らの利益が最大化できるタイミングで事業を破綻させます。

計画的な破綻。繰り返される詐欺の典型として要注意

1920年代にイギリスで暗躍したチャールズ・ポンジが出資金詐欺行為を働いて以来、出資金詐欺は世界中で、定期的に被害を生んでいます。日本では1990年代のオレンジ共済組合事件、2000年代のワールドオーシャンファーム事件、2010年代の安愚楽牧場事件、MRIインターナショナル事件、日経225先物アービトラージ事件など手を変え品を変え、繰り返されています。

出資金詐欺から身を守るために

有利な投資条件を求めて、金融商品として販売されているわけではない事業投資に目が向くのは自然なことです。ですが事業投資は金融商品に比べて情報が明確に公開されているわけではありません。また失敗した際のリスクが非常に大きいといえます。非公開の投資案件がなぜ自分のもとにきたのか。成功しているといっているが本当にそうなのか。確かめることができるのか。自分の投資予算や基準に照らして身の丈に合っているかなどの観点で精査することが必要です。

自分の身近な人が成功していると聞くと、自分もできそうな気がしてきます。ですが、その人も騙されているかもしれません。リスクが高い投資は非常に有望なチャンスでもありますが、資産を失う脅威を秘めています。自分が負いきれるリスク範疇にとどめておく冷静さが求められます。

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