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テキシアジャパンホールディングス事件

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元本を保証したうえで、月3%の利率で配当金を支払うという架空の投資話で、投資会社「テキシアジャパンホールディングス」は1万3000人を超える出資者から現金をだましとった事件です。設立時の2013年9月からの4年間で集めた資金総額は約460億円にのぼるといわれています。「キング」こと銅子正人(どうこまさと)容疑者をはじめ経営層が10人以上逮捕されています。

テキシア事件は典型的なポンジスキーム型の詐欺事件です。「1口100万円で出資すると、毎月3%の配当が支払われる」「1年後に元本を償還するか契約継続を選べる」などとうその投資話で高齢者などの情報弱者を中心に資金集めを行います。出資金は借用書という形で書面を結んでいたため、出資法違反ではないため法律的にも問題ないという説明もされていたといわれています。

高齢者の心の隙間を狙うアイドル商法

1万3000人以上が騙されたテキシア事件ですが、特質的な点が、アイドル商法とも表現できるような独自の勧誘スタイルです。主犯格と目される銅子容疑者は自らをキングと名乗り、アイドル活動を行っていました。また「日本を元気にする会」と称するセミナーを全国規模で開催し、会員向けの昼食会や旅行などを行っていました。自らを「海外資産1000億円以上の富裕層」と語っていた銅子氏の巧みな話術や日本を良くするビジョンをもってアイドル活動などに心酔したファン層が実際に支払われる毎月の利息ですっかりテキシア社の詐欺にはまり込んでしまったのです。

ねずみ講も

実際は運用していないにも関わらず、出資金をとりくずし、配当を支払います。配当が実際に支払われるため、加入者は自分が騙されていると考えません。「すごくよい仕組みだ」と追加の投資に積極的になっていきます。

またテキシア社はねずみ講型の勧誘制度を設けていました。資金の出資者に出資者をあつめた勧誘実績に応じて「ディレクター」、「マネジャー」、「エバンジェリスト」、「一般会員」などの階層を設けて、インセンティブを支払っていました。一般会員から一つ上のランクであるエバンジェリストになるためには3人以上の勧誘か500万円以上の出資が必要という制度だったということで、自分自身が500万円出資すれば、階層をあがることができましたが、マネージャーになるためには、テキシア社の幹部による承認が必要という制度になっており、実質的に関係者以外はマネージャーにはなれない制度だったといわれています。

月3%の運用実績がある優良な投資として自分自身がお金を受け取ることで、自分自身がテキシア社の仕組みを信じ、親類縁者友人などに勧誘するように仕向けていたのです。テキシア社が実際に3%以上の金利で元本が保証されている投資を行うことができれば嘘はなかったのですが、投資実態がなかったため、破綻は目に見えていたのが実情で、400億円以上あつめた資金が破綻時には現金1600万円程度までに減少していたといわれています。

二次被害・・・仮想通貨のライフステージ社

テキシア社自体、暗号資産の勧誘は行っていないのですが、同社の被害を弁済するために、シエラレオネ産ダイヤモンドの原石を担保とした暗号資産「ワールドフレンドシップコイン(WFC)」を提供すると言った詐欺グループも現れました。損失補填のために設立されたライフステージ社です。「ワールド・フレンドシップ・コイン(WFC)」という仮想通貨で損失を補填するという名目で二次被害をもたらしました。

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