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OZプロジェクト事件の集団訴訟から

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OZプロジェクト事件は、仮想通貨ICO詐欺だ。高齢者を中心に全国で約1万7千人が被害に遭い、総額70億円以上の被害が発生したとされる。被害者のほとんどが高齢者と言われており、OZプロジェクト以前にも、キャナル、アセットコイン、プラネットコイン、オーシャンコイン、OZプロジェクト、インディアンコイン、ネスト・・等、短期間で名前を変えながら資金集めを繰り返してきたポンジ・スキーム型の詐欺事件だ。

OZプロジェクト事件の詐欺手口

「負けなしのアービトラージ、AIトレードにより4ヶ月後に原資が2.5倍」「アジアで40万人の顧客がいるダイスウォレット監修」などと謳い2017年2月から縁故募集を開始したOZプロジェクトだが、ビットコインは0.1単位から申請する形だった為、少額登録者は一切の配当が無いなど、当初から不審な点が多かった。

2017年9月に大々的なカンファレンスがあり詐欺ではないことを大々的にアピール。OZウォレットとアービトラージに関係するダイスウォレットの代表橋谷田氏がスピーチし、OZポイントに関係するギフコ株式会社の関係者の説明もあったが、両者とも後にOZプロジェクトとの関連を否定している。

年月事件概要
2017年2月OZプロジェクトの縁故募集開始。高額な投資リターンを謳い、多数の投資家が参加。
2017年6月OZウォレットのリリース予定発表。しかし実際にはリリースされず。
2017年8月縁故募集終了。OZポイントをペーパーウォレットで送付予定だが、ほとんど届かず。
2017年9月大々的なカンファレンス実施。しかし、その後ポンジスキーム疑惑が浮上。
2017年12月ICO一般公開が延期。原因はAI開発の遅延と発表される。
2018年1月-5月返金計画が発表されるも、ほとんどの会員には実質的な返金がなし。
2018年2月マイページからOZポイントやビットコインの表示が消える。
2018年後半集団訴訟の準備開始。被害者たちが法的手続きを取り始める。

2017年12月、ICO一般公開がスタートするはずが延期、2018年1月~5月末までにそれぞれの月で10%、15%・・と返済計画があったが、月末に近づくと延期のお知らせ等があり、結局は多くの会員が計約5%のみしか返金がない結果になるなど、ずさんな運営が続いた。

返金申請からは毎月、「運用益が下回る状況が続くが改善に務める」とし、4月27日以降のお知らせはない。では、AIによるアービトラージ取引で4ヶ月後に元本が2.5倍になると謳われ、141万円の高額パックへの登録を勧誘。しかし、ほとんどの登録者は換金できず、突如行われた返金でも多くの会員は約5%しか返金されなかった。運営側は「運用益が下回る状況」などと説明するのみだった。

OZプロジェクト事件の法的対応

OZプロジェクト事件の被害者があつまり大規模な集団訴訟を展開中だ。現在、正木絢生弁護士を中心とする集団訴訟が立ち上げられ、900名以上の被害者が参加している。金融庁への未登録、重要事項の不告知など、OZプロジェクトの違法性が指摘されている。被害総額は19億6,843万7,082円に上ると言われている。

事件の関係者に対する判決も出始めている。
OZプロジェクトで暗号資産の運用役の橋谷田拓也被告は、AIを使った仮想通貨へのウソの投資話をもちかけ「破綻を認識したうえで、違法な顧客の勧誘を行った」などとして、懲役5年・罰金500万円を求刑される裁判を起こされていたが、2024年3月22日に名古屋地裁で「パンフレットなどの資料を使って多額の配当があるように信じ込ませる手口は巧妙かつ悪質。一切の運用をせずに破綻を招いた原因を作りながら、責任がないかのような態度は無責任」などとして、懲役3年・罰金500万円の判決を言い渡された。

OZプロジェクト被害者の反応

被害者の中には、老後資金の大半を失った70代男性や、「元本保証だと聞いていた」という60代女性もいる。都内在住の50代男性は「紹介者を出さなくても収入が得られると言われ、141万円を投資したが、ほとんど返金されなかった」と憤りを隠さない。

OZプロジェクトのような投資詐欺から身を守る方法

国民生活センターによれば、利回りが非現実的に高い案件や、運営会社の情報が不明瞭な案件には特に注意が必要だという。金融庁のウェブサイトで登録状況を確認したり、信頼できる第三者機関の評価を参考にすることが大切だ。説明会やセミナーでは録音を行い、契約書面などは時間をかけて読むことを推奨している。

しかし詐欺師は巧みだ。騙すことが商売のプロである。こちらが勉強しても勉強しても法の網の目をかいくぐり、あの手この手で資金をだまし取ろうとする。

絶対に騙されたくない人は挑戦しない、投資しないことが最もよい防衛手段となる。騙され着はないが、現状を打破したい、資金を増やしたいという人は、こうした詐欺事件が存在することを知ったうえで、挑戦することになるだろう。騙されるリスク・損するリスクを意識したうえで、損しても問題ない範囲で投資し、自分が責任を持てる範囲で取り組む必要がある。

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