現物投資というと「金」を思い出す方も多いと思うが、「金」以外にも絵画や美術品への投資は歴史ある投資ジャンルだ。「目利きが難しい」「詐欺が心配」という印象を持たれる方もいると思うが、自分の興味のあるジャンルであれば心配も少ないかもしれない。
そうお酒である。今回ご紹介するのはウィスキー樽投資。スコッチウィスキーの醸造蔵の抱える樽ごと投資を行おうというウィスキー樽投資(ウィスキー・カスク投資)をご紹介したい。
ウィスキー樽に投資?
ウィスキーの醸造蔵は酒を仕込んで、卸業者に樽ごと販売するわけだが、ウィスキーは熟成させることで味がよくなる。醸造蔵は100%の在庫がすぐにマネタイズできる訳では無い。そのためすぐに市中に出荷するもの、熟成させるものを計画して利益を最適化しようとする。熟成させるものも、すぐ出荷するものと熟成まちで有ることに付加価値を持たせて売却することで、資金繰りを改善しようとする。こうした熟成することで価値が増す、という点を踏まえて樽ごと購入し、価値が上がったタイミングで売却しようというのがウィスキー樽投資だ。
日本でもサントリーが数十年前にウィスキー樽のオーナーを募ったこともあったが、日本市場ではファンサービスにとどまった程度で、一般の投資家には手が出しにくい分野だった。そんなウィスキー樽投資を日本に紹介しているのが、クレア・ライフ・パートナーズだ。対応してくれたのは同社取締役の荒谷 友樹氏だ。
荒谷氏:「弊社は資産運用のアドバイスや教育も手掛けていますが、そんな中で世界の富裕層が行っている投資商品の取り扱いも始めました。ウィスキー樽投資やアンティークコインへの投資など世界では人気が高い魅力的な商材をご紹介したいという思いではじめました。ウィスキー樽投資を本格的にご紹介しはじめたのは日本では弊社が初めてです。おかげさまでテレビなどのメディアでも取り上げられるようになってきました」
投資と詐欺編集部:大体いくら位から始められる投資なんでしょうか?
荒谷氏:「一番高い銘柄になると億を超えるものもあるのですが、お求めやすいものとしては50万〜60万円台からご紹介できます。世界的なインフレもあって価格上昇が見込めるのと、スコッチウィスキーは世界で幅広いファンがいるため流動性も高いです。最近では数ヶ月保有しただけで10%以上の値上がりをする銘柄もありました。2022年の平均資産成長率は14%を超えていますので、有望な選択肢といえると思います。」
投資と詐欺編集部:何年くらい保有できるものなんでしょうか?
荒谷氏:「樽での保管は数十年できます。預かり料はかかりますが、温度・湿度の管理が行き届いた保管庫で保管し、保険にも加入することができるので、災害時でも補償をうけることができます。」
投資と詐欺編集部:かなりSOLD OUTとかかれたチラシも多いのですが、どんな方が買われるんでしょうか?
荒谷氏:「2023年の資産運用EXPOは3日間あったんですが、最終日の今日、かなりの数が売れています。やはり初めてみたときにすぐに購入する人はすくないです。ですが家に帰って自分でも調べて市場の有望さを確認できると購入してみようかと考える方が多かったようですね。『数十万円からできる投資なので株と似たような感覚で手が出せる』と仰っている方や『お酒が好きで知っている醸造蔵があったから買った』という方もいらっしゃいますし、お孫さんへの相続として購入したという方もいらっしゃいまして『400万円〜500万円の樽を現物で購入して相続すれば値上がりも期待できるのでちょうどよい』とお考えになったそうです。
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明確に言及はなかったが、百本を優に超える受注があった様子で、この3日間の会期中で売上が一億をこえているのではないかと投資と詐欺編集部では見ている。非常に高い関心が寄せられている分野だといえるだろう。
スコッチウィスキーの他アメリカの一部のウィスキーの取り扱いもあるということだが、今後は日本の樽も取り扱う可能性があるということで、世界的に注目を集めている日本のウィスキーを樽で所有することができる日が来るかもしれない。