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    2025年11月21日日本の長期国債が利上げ。日本は成長する?崩壊する?2つの観点

    2025年11月21日に日本の30年物国債(JGB)の利回りが3.41%まで急上昇(1999年以来の高水準)しました。日本はGDP比234%の巨額債務を抱え、日銀(BOJ)はインフレ抑制のための利上げと債務負担増大のジレンマに直面しています。

    円高進行による数兆ドルの円キャリートレード解消が新興市場やナスダックを10-20%押し下げるリスクを警告する経済評論家もいます。2025年12月18-19日の日銀会合での方向性が焦点となっています。一方で、東京の日常は平穏で、国内保有債務の多さが即時崩壊を防いでいるとの指摘もあります。この現象に対する意見は二極化しており、利回り上昇(および日銀の政策正常化)を「必要悪」と見なす賛成派と、「経済崩壊の引き金」と警鐘を鳴らす反対派に分かれます。この記事では、両方の観点から解説します。主な根拠は、市場分析や専門家の見解に基づきます。

    日本まだまだ大丈夫説

    「利回り上昇は健全化の兆しだ。」長期的に日本経済を安定させる利回り上昇は、日銀の長年の超低金利政策(YCC:イールドカーブコントロール)の終了を象徴し、市場の正常化を促すというポジティブな見方となります。賛成派は、インフレ抑制と資源配分の効率化を強調します。

    インフレ抑制と政策正常化の進展

    日銀は2024年に負の金利を解除し、2025年1月に0.25%の利上げを実施(政策金利0.5%)。これにより、10年物JGB利回りは1.8%前後、30年物は3%超へ上昇。核心インフレ率が3%を超える中(BOJ目標2%超)、利上げは物価安定に寄与し、賃金・価格の好循環を強化すると評価されます。BOJの見通しでは、2025-2026年のインフレは2.2-1.7%で安定化の見込みで、追加利上げ(合計50bp)が経済成長(0.8%予想)を支えるとされます。

    市場機能の回復と投資魅力向上

    BOJの量的引き締め(QT:月間JGB購入を3兆円へ半減、2026年3月まで保有縮小21兆円)により、市場主導の利回り形成が進み、JGB市場の歪みが解消。超長期債のボラティリティ上昇は一時的で、外国投資家や年金基金(GPIF)の国内回帰を促し、円安是正(USD/JPY 152超え回避)につながります。長期的に見て、JGBの魅力が高まり、ポートフォリオ多様化(金やREITsへのシフト)が進む利点もあります。

    グローバル影響の過大評価回避

    円キャリートレード解消の懸念は誇張され、BOJの慎重姿勢(12月利上げ確率42%)で急激なショックは避けられるとの声。90%が国内保有のJGBは自国完結型で、米金利動向の方が影響大。結果として、資本流出鈍化がグローバル流動性を安定化させます。

    日本もう終わった説

    「利回り上昇は債務危機の火種、即時・長期リスクが深刻」と考える人たちもいます。日本もう終わった派は、債務規模(9兆ドル、GDP比234%)と高齢化社会の文脈で、利回り上昇を「財政破綻の引き金」と批判。短期的な市場混乱と長期的な成長阻害を懸念します。

    債務負担の急増と財政悪化

    0.5%の金利上昇で年間利払い450億ドル増(税収の10%超消費)。高市政権の21兆円刺激策(補助金7兆円、子供手当2万円など)が追加国債発行を招き、20年物利回り2.85%(26年ぶり高値)へ押し上げ。保険会社のJGB保有減(1.35兆円減、2025年3月時点)で需給悪化、財政ショック(ギリシャ危機超え)のリスクが高まります。

    円キャリートレード解消の連鎖反応

    総額3.5-4兆ドルのキャリートレード(低金利円借り入れ→海外投資)が逆回転すれば、円高(152/USD超え)でナスダック12-20%下落、新興市場10-15%急落の可能性があります。2024年8月の日経-12%暴落を上回る「本番」リスクで、ドル円157超えの円安がインフレ加速を招き、実質賃金3年連続下落のスタグフレーションを悪化させます。

    政策ジレンマの深刻化

    日銀の「利上げ=債務爆発」「据え置き=円安インフレ」の詰み状態で、12月会合の決定が市場信認を失わせる恐れ。ゾンビ企業延命の40年低金利が生産性ゼロを招き、超長期金利の「反乱」が金融・財政に波及。個人向け国債の実質リターン(-0.5%)もマイナスで、投資家離れを加速します。

    まとめ

    バランスの取れた視点賛成派は長期的な経済健全化を、反対派は短期的な危機を強調しますが、共通するのは日銀の12月会合が鍵という点。実際の影響はBOJのQTペースや米金利動向次第で、過度なパニックは避けつつ、分散投資(金や海外資産)が推奨されます。日本経済の「豊かな貧困国」状態を脱するため、構造改革(生産性向上、財政再建)が不可欠です。最新動向はBOJ発表や市場データを注視してください。

    投資と詐欺編集部
    投資と詐欺編集部
    「投資と詐欺」編集部です。かつては一部の富裕層や専門家だけが行う特別な活動だった投資ですが、今では一般の消費者にも未来の自分の生活を守るためにチャレンジしなくてはいけない必須科目になりました。「投資は自己責任」とよく言われるのですが、人を騙す詐欺事件は後を絶ちません。消費者が身を守りながら将来の生活に備えるための情報発信を行なっていきます。

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