不動産投資をして、物件価格が上がって投資が成功していると思っていても、実際に売却をしてみないと収益が決まりません。
そのため最終的に利益が出たかどうかは、物件を売却する最後の最後までわからないのです。
例えば家賃収入でうまくいっていたとしても、売却時に大きなマイナスになってしまえば、それは不動産投資の成功とは言えません。 このように最終的な収益を決めることを不動産投資の「利益確定」と言います。
今回は、不動産投資の利益確定についてわかりやすくご紹介します。
目次
不動産が野菜のようにうれていく理由
不動産を売却して初めて利益確定となりますが、市場では日々多くの不動産が売買されています。
こんな高額な不動産が、スーパーの野菜のようにバンバン売り買いされているのが不思議に感じる方も多いでしょう。
なぜなら不動産が数多く売買されるのは、売却する人、買い替える人、初めて購入する人などがその都度一定数いるからです。
人は家を1度購入したら終わりではなく、ライフスタイルの変化や家族構成の変化、物件の状態によって売却や買い替えを検討します。
売却理由や買い替え理由には、下記のような10個のポイントがあげられます。
<売却・買い替え理由>
- 投資物件で利益を得るため
- 相続した物件を売却
- 今より良い物件に住み替える
- 住宅ローンの返済が困難になった
- お金が必要になった
- 結婚をした
- 離婚をした
- 転勤など仕事の都合
- 家族構成の変化や家族の事情
- 家族の通勤や通学の関係
これだけの売却・買い替えの理由があると、不動産が日々数多く売買されることも納得できるでしょう。
利益確定
不動産投資の成功・失敗を判断するのは、不動産を売却して最終的にプラスになるか、マイナスになるかというところです。
投資の基本は「安く仕入れて高く売る」ことであり、不動産を購入する時点で売却して利益確定するところまで想定しておく必要があります。
家賃収入でうまくプラスに回っていたが、物件を売却する時にマイナスになってしまえば不動産投資として失敗。
反対に、家賃収入はうまく回せずに売却することになったが、高く売れたためプラスになれば不動産投資に成功ということになります。
そのため、不動産投資は最後までどうなるかわかりませんが、売るタイミング次第でプラスにすることが可能です。
そうは言っても、やはり不動産は購入時にいかに「安く」買えるかが一番重要であると言えます。購入時に安くかってさえいれば、相場価格で売却しても利益が出せるからです。
また、物件を融資で購入した際も融資額を下げることができる=返済額が少なくなることで、毎月のキャッシュフローが生まれますので、多少安く売却しても最終的にトータルでプラスにすることが可能です。
利益確定は不動産投資の結果を表す大切なポイントになります。
また現金として収益が手元に入ってくるのも、売却で利益確定をした後です。
家賃収入で毎月収入があったとしても、それは住宅ローンの返済や物件価格に当てられるため、実際のプラスの収入ではありません。 不動産投資では、投資を始める入り口や途中経過だけでなく、利益確定となる出口についても考えることが大切です。
相続
不動産を相続によって手にする人も多いでしょう。
不動産を手にしてヤッター!と思うかもしれませんが、相続の場合に注意しなくてはいけないのが「税金」です。
不動産を相続した時にかかる税金は、「相続税」と「登録免許税」の2つになります。
<相続税>
不動産だけに関わらず遺産を引き継ぐ場合に発生する税金です。
相続税が発生する条件としては、相続したものの評価額から基礎控除額を引いた金額がプラスとなった場合に税金がかかります。
基礎控除額は、相続する人が1人の場合は「3,000万円+(600万円×1人)=基礎控除額3,600万円」です。
相続人が2人になれば1人の部分が2人となり、「3,000万円+(600万円×2人)=基礎控除額4,200万円」という計算になります。
相続した財産が、この数式で出した基礎控除額よりも高い評価額の場合には、相続税がかかることを覚えておきましょう。
相続税には申告と納付の期限が設けられており、「被相続人が亡くなったことを知った翌日から10ヶ月以内」と決まっています。
この期限を守れなかった場合にはペナルティーが課せられるので、よく注意しなくてはいけません。
実はこれ、裏を返せば相続物件は狙い目ということが言えます。このような物件を見つけることはなかなか難しいですが、不動産を相続した際に、相続税が払えないと物件を売却して現金化する必要が出てくるのですが、上記の通り10ヶ月以内に相続税を納付する必要がありますよね。そうすると「売り急ぎ」で物件に指値が通りやすく、相場より割安で購入することが出来るかもしれません。
<登録免許税>
不動産を相続するということが、所有者の名義を被相続人から相続人へ変更する手続きが必要です。
このような相続登記を行う場合には、「登録免許税」という税金が発生します。
登録免許税の金額は、「不動産の固定資産税評価額×0.4%」の計算で算出。
固定資産税評価額は、固定資産税の通知書に記載されている金額になります。
現時点では相続登記の義務はありませんが、税制改正により2024年から義務化になる予定です。
そして相続税の税金は、不動産の状況によって税金を押さえることができる場合もあります。
①小規模宅地等の特例が適用となる場合、②土地を貸している場合、③建設中の場合には税額を軽減することが可能です。
また、相続物件を売却する場合には、3,000万円の控除を適用することができます。
物件売却価格から売却にかかる費用を差し引いて、3,000万円以内の金額であれば、プラスの収益は無いということになり、所得税の住民税といった税金が発生しません。
不動産を相続した場合には、控除をうまく利用して利益確定ができるように考えましょう。