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    2025年第1四半期のアジア経済

    2025年3月23日時点でのアジア全体の景気について、最新の経済動向を基に概観をお届けします。アジアは広大な地域であり、国ごとに状況が異なるため、主要な地域(東アジア、東南アジア、南アジア)や注目すべき国の動向を中心に整理します。

    全体的な景気の傾向

    アジア経済は、2024年の成長率が約4.8%(世界銀行予測)と世界平均を上回る堅調さを見せましたが、2025年に入ってからは成長ペースがやや鈍化し、4.4~4.5%程度に落ち着く見込みです(IMFおよびESCAP予測)。この背景には、グローバルな需要減退、中国経済の減速、地政学リスクの高まりがあります。一方で、国内消費の底堅さや半導体・観光業の回復が支えとなり、地域全体としては依然として世界経済の成長エンジンとしての役割を担っています(2024年は世界成長の約60%をアジアが寄与)。

    地域別の景気状況

    1. 東アジア
      • 中国: 2024年の成長率は5.2%と予想を上回りましたが(IMF)、2025年は4.6%程度に減速予測。不動産市場の低迷や消費・投資の信頼感低下が続いています。政府の財政刺激策(2024年10月および2025年3月)が一定の効果を上げていますが、構造的な課題(過剰生産能力、高債務)が成長を圧迫。輸出価格の下落が他国に影響を及ぼすリスクも。
      • 日本: 2024年第4四半期の成長率が予想を上回り(輸出増による)、年率3%超の拡大(CNBC報道)。しかし、2025年は内需(特に消費)の弱さが懸念され、成長率は2%前後に鈍化する見込み。日銀の金融政策正常化が焦点です。
      • 韓国: 半導体輸出がAI需要で回復し、2024年は3%成長(ADB)。2025年も堅調ながら、中国依存度の高さや米国の保護主義がリスク要因。
    2. 東南アジア(ASEAN)
      • インドネシア: 2024年第4四半期の成長率は5.02%と安定(McKinsey)。2025年は5%前後を維持するものの、プラボウォ政権の財政負担懸念やルピア安が市場を不安定化。輸出と消費は堅調。
      • マレーシア: 2024年は5.1%成長と好調(BNM)。2025年も4.7%予測(IMF)と堅実で、半導体輸出と投資が牽引。燃料補助金改革が消費に影響する可能性。
      • タイ: 2024年第4四半期は3.2%成長と回復(McKinsey)。2025年は観光業のさらなる回復で3~4%成長見込みだが、家計債務の高さが足かせ。
      • ベトナム: 2024年は7.09%と地域トップの成長(GSO)。2025年は6%台後半を維持予測だが、輸出依存とインフレ圧力が課題。
      • フィリピン: 2024年は6%前後で安定(McKinsey)。2025年も堅調ながら、インフラ投資の進捗が鍵。
    3. 南アジア
      • インド: 2024年は7%超の成長で世界最速(IMF)。2025年も6.5%前後と予測され、公共投資と消費が牽引。ただし、インフレや気候変動リスクが懸念。
      • パキスタン: 経済危機からの回復途上で、2024年は2%程度(World Bank)。2025年も低成長が続き、洪水や債務問題が重荷。
      • スリランカ: 債務再編が進みつつあり、2024年は3%成長見込み。2025年も緩やかな回復基調だが、政治的不安定さがリスク。

    景気に影響する主な要因

    • 外部環境: 米国の高金利長期化やトランプ政権の関税政策が輸出に影響。中国経済の減速が地域全体に波及する可能性。
    • インフレと金融政策: 地域全体でインフレは2~3%台と落ち着いているが、食料・エネルギー価格の上昇リスクが残る。多くの中央銀行が2025年に利下げを検討中(例: フィリピン75bps、タイ25bps予測)。
    • 地政学リスク: 中東情勢や米中対立がサプライチェーンや貿易コストに影響。上海コンテナ運賃指数は2024年比180%増(ESCAP)。
    • 国内要因: 高債務(タイ、インドネシアなど)、労働力不足(少子高齢化)、気候変動による自然災害が成長を制約。

    現時点での評価

    アジアの景気は「回復基調だが減速リスクが共存する」状態です。東南アジアやインドは比較的堅調で、特にベトナムやマレーシアが注目されますが、中国やタイのように構造的課題を抱える国も多いです。グローバルな不確実性(貿易戦争、気候変動)が景気を左右する中、国内消費や投資の強さが試されています。

    投資と詐欺編集部
    投資と詐欺編集部
    「投資と詐欺」編集部です。かつては一部の富裕層や専門家だけが行う特別な活動だった投資ですが、今では一般の消費者にも未来の自分の生活を守るためにチャレンジしなくてはいけない必須科目になりました。「投資は自己責任」とよく言われるのですが、人を騙す詐欺事件は後を絶ちません。消費者が身を守りながら将来の生活に備えるための情報発信を行なっていきます。

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