住宅用の太陽光発電もずいぶん一般的になってきました。ですが持ち家一戸建ての人以外には、縁遠い印象があるのも確かです。「うちはマンションなので設置スペースがない」「設置するときに高い金額が必要そう」と感じている人も多い事でしょう。
一定のコストは必要ですが、実は工事が不要で、ベランダに設置できる省スペースで簡単に導入できる太陽光発電パネルがamazonなどで販売されています。なんとパネルを設置してコンセントに差すだけで電気代が削減できるんです。
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コンセントに差すだけの太陽光パネル
実際に発電したことがない方はご存じないと思うのですが、太陽光パネルで発電した電力はそのままでは家電で利用することはできません。電気の種類が異なるため、変換が必要なため、専用の機器を導入する必要があります。また発電した電力をそのまま、住宅に引き込むことはできないので、引き込み工事が必要になります。
この製品はそうした機器をパネルに搭載し、工事なしに家のコンセントに差すことで電力を使えるようにしているということで、いまDIYで太陽光発電に取り組みたい人たちの間で大きな話題になっています。
結局どのくらいの電気を発電できるか、なのですが、ポータブル電源などの、蓄電池がない場合、昼間、太陽光発電ができる時間にしか効力を発揮しませんが、400wの場合、電気代にして月額1300円から1500円分程度の削減が期待できるということでした。
装置の価格は10万円前後になるようですが、設置工事を業者に依頼せずに自分で行うことで、それ以上のコストは発生しないのは大きなメリットだといえるでしょう。
コストメリットは?
10万円の投資で年間1万円以上の電気代削減が可能になる計算です。この数字だけ見ると、回収に10年かかるので、装置の故障懸念などを考えると節税のための投資という印象です。装置価格が10万円未満ということで、利益が多く出ている企業や個人事業主の場合、2セット、3セットと追加購入することで一括償却することで電気代を無料にすることは可能になります。
もっと費用対効果がよいものは?
いろいろな機材無しで、簡単に太陽光発電を楽しみたい、というニーズには合致した先ほどのセットですが、より本格的に電気を時給自足したい人には物足りなかったかもしれません。
20万円ちょっとの投資となりますが、ソーラーパネルの発電能力を三倍程度に伸ばして、より電気代に貢献する仕組みもセットとして販売されています。これは風力発電と太陽光発電のハイブリッド発電になりますが、電気を変換しコントロールするインバーターとチャージコントローラーもセットになっているので、必要なものが一式そろっているキットになります。(商品構成をみると、パネルを設置する架台と風力発電機を固定するポールがないので、別途必要な様子です。)
庭付の一戸建てや、作業場の空き地など、余分な土地がある前提になりますが、設置サポートを提供しているサイトもありますので、素人でもチャレンジできるかもしれません。
売電はできるの?収益化は可能?
売電を行うためには、対応した機材を選定し、経験のある事業者に工事を依頼し、認証を受ける必要がありますので、DIY太陽光発電での売電はできないと考えたほうがよいでしょう。
電力会社から送電される電気代は1kwあたり25円から30円と考えると、発電できる電力を12円/kwなどで販売するよりも自家用で消費することに充てる方がはるかにコストメリットがあります。
例えば暗号通貨のマイニングと組み合わせて、電力を暗号通貨にかえて収益を目指すことを考えるなどの収益化も考えられます。2022年には暗号通貨の暴落やマイニングの採算割れが大きなトピックスとなっていますが、電気を自給することで多くのプレイヤーが撤退した後に残った市場で利益を上げていく取り組みには大きなビジネスチャンスがあるかもしれません。
もしマイニングの電気代を自家発電で補うとしたら?
例えばマイニング効率に優れているといわれているGPUであるRX6600を5枚利用したマイニングリグを想定します。1時間あたりに必要な電力は400w/hとなります。このリグを24時間稼働させた場合、必要な電力量は9600w、つまり9.6kwとなります。電気代に換算すると月間5000円から6000円程度となります。対して売上は月間12000円程度を見込めますので、7000円程度の粗利が見込めます。電力が自給できると、毎時400w程度発電できると5000円から6000円の粗利が改善できる見込みですので、年間6万円から7万円の収益につながります。
1kwの太陽光パネルの発電できる容量は1日あたり平均2.5kwから3.4kwと言われています。太陽光パネルだけでは、ピーク時の電力は使いきれず捨ててしまうことになりますので、ポータブル電源などの蓄電器との組み合わせが必要になります。またそれでも電力容量が不足しているので、全量カバーしようとする場合は、3kw分のパネルが必要になりそうです。
先ほど紹介した風力発電とのハイブリッドキットの場合、風力が十分な環境で400wの発電容量の70%が発電できた場合、一日6kwから7kw程度発電できるため、一日の電力を充足できるかもしれません。