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補助金を不正に受給し私的に流用
経済活動を活性化するために制度が設定される給付金。こうした給付金はできるだけ多くの利用者に活用しやすいように制度が設計されるため、不正に利用されるリスクにさらされています。最近ではGOTOトラベル制度を悪用した旅行代理店大手のHISのグループ会社の不正受給が大きな話題を呼びました。またそれ以外にも2020年には持続化給付金詐欺としてコロナ関連給付金を不正に受給したとして、279人が検挙されました。被害総額は2億円強に上っています。
詐欺罪は人を騙して財産を交付させる行為
給付金詐欺は、人を騙して財産を交付させる詐欺罪に当たる行為です。給付金を不正に受給し利益を得るためには、被害者を騙し(欺罔)、信じさせ(錯誤)、財産を差し出させ(交付)、お金やなんらかの便宜を図らせる(財産移転)の4つの段階があります。財産が被害者から加害者に移転された時点で詐欺既遂罪が成立するといわれています。
詐欺罪の量刑
詐欺罪は刑法第246条で「10年以下の懲役」という刑罰が定められています。もし給付金詐欺を行ってしまった場合、逮捕される可能性があります。
検挙された人以外にも、自主返納という形で給付金が返納されているケースもあります。不適切な給付金の需給は詐欺罪にあたります。逮捕されると10年以下の懲役ということで、刑務所で景気をつとめなければなりません。大きなリスクを伴っているといえるでしょう。
他人にそそのかされても刑は免れない
不正な助成金の受給は、コンサルタントのような第三者にアドバイスを受けて実施されるケースも多いようです。ですが、人にそそのかされて給付金詐欺を行ってしまっても、あるいは行おうとしても検挙されてしまうと、詐欺未遂ということで犯罪行為とみなされることになります。