Home 詐欺を知る 詐欺事例 茨木カントリークラブ事件(1992年)

茨木カントリークラブ事件(1992年)

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1980年代後半、日本経済が最も華やいだいわゆる「バブル期」には、企業や個人が財テクと称して、不動産や、株、リゾートホテルやゴルフ場の会員権に投資をおこなうことが一種のブームとして脚光を浴びていました。当時は接待が営業の重要なキーを握るということで、接待営業が真っ盛り。そんな接待の王道として、土日のゴルフは一般の営業マンでもたしなみとされており、平日のゴルフは重要な案件での必須イベントとなっていました。

そんな文化的背景もあり、ゴルフ場の予約はとるのも一苦労するありさまで、地方の山林を開発してゴルフ場にするゴルフ場開発は地方経済の大きな事業投資として注目を集めることになり全国各地でゴルフ場開発が進行しました。ゴルフ場は予約を行って利用する施設です。人気が高騰すると、会員を優先します。非常に人気な時期には、会員しか利用できなくなるほどで、人気ゴルフ場の会員権はマンションと同じほどの高値で取引されました。

そんなゴルフ場開発の人気に目を付け詐欺を行った事件が茨城カントリークラブ事件です。この事件は、会員の定員を2830名と設定したにもかかわらず、実際は定員以上の会員権を売りさばいて資金を集めました。実に5万2000人以上に会員権を販売し、約1000億円の資金をあつめたのですが、脱税の容疑で開発会社が倒産し、関連会社に横流しされた資金は十分回収されることなく、被害者には数万円のお金が戻っただけにとどまりました。しかもゴルフ場開発自体もとん挫、完成をすることなくなくなってしまいました。

巨額の損失を多くの人にもたらしたこの事件を重く見た政府は、ゴルフ場の会員権を定員以上に販売できないように、ゴルフ会員契約等適正化法が制定される事態となりました。

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