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不動産投資の高利回り物件に潜むリスクとは?注意点や特徴を解説

不動産投資の高利回り物件に潜むリスクとは?注意点や特徴を解説

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不動産投資をする際に気になる「利回り」。投資をするなら少しでも高利回りな物件の方が良いと思っている方も多いのではないでしょうか。実際きちんと運用できれば大きな利益を得られるため、高利回り物件は非常に魅力的です。

しかし高利回り物件には詐欺のリスクも潜んでいます。計算上は高利回りと謳っていたとしても、必ず利益が得られるとは限りません。この記事では、高利回り物件の特徴やリスク、投資を行う際の注意点についてご紹介します。メリットだけでなくリスクも十分考慮したうえで投資を行いましょう。

不動産投資における高利回り物件とは

高利回り物件は、簡単にいうと収益性の高い物件のことです。たとえば、2,000万円で購入して年間家賃収入が100万円の物件と、1000万円で購入して年間家賃収入が200万円の物件であれば、後者の方が大きな利益を得られる高利回り物件といえます。

利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。表面利回りはグロス利回りとも呼ばれ、不動産購入価格と家賃収入から簡易的に算出された数値です。

対して実質利回りはネット利回りとも呼ばれ、修繕費や税金などの経費を組み込んだ数値です。

  • 表面利回り=満室時の年間収益÷不動産購入価格×100
  • 実質利回り=(満室時の年間収益−不動産管理費)÷(不動産購入価格+諸経費)×100

実質利回りの方が、不動産運営に関わる諸経費が考慮されているため正確な数値といえます。しかし、あくまで満室時の数字であることに注意しましょう。

高利回りな不動産投資物件の特徴

たとえば不動産の購入価格が2,000万円、年間家賃収入150万円だった場合の表面利回りは「年間家賃収入150万円÷不動産購入価格2,000万円×100=7.5%」です。この値が平均的な利回りよりも高ければ、高利回りだといえます。一般的に不動産購入費が安くて家賃収入が高いほど利回りも高くなります。

高利回りな物件は地方で見つけやすい傾向にある

高利回りな物件は地方で見つけやすい傾向にあります。これは都心に比べて地方の地価が低いからです。また都心は人が多い分、不動産購入価格が高くても、買い手が見つかりやすいため高値で設定されることが一般的です。一方、人口が少ない地方は、買い手が少ないため比較的安く不動産を購入できます。

また中古物件も安く購入できる分、利回りが高くなる傾向にあります。しかし、利回りの計算値はあくまでも満室時のものです。家賃を払う入居者がいなければ当然、利益も得られません。特に不動産は築年数と比例して修理しなければならない箇所が増えていくので、安く中古物件を買えたとしても、修繕費がかさんで利益率が低くなる恐れもあります。

全国的な平均利回りは約7%〜8%台

「不動産投資と収益物件の情報サイト健美家(けんびや)」が公表しているデータによると、アパートやマンションの平均利回りは7%~8%です。この平均値を超える物件であれば高利回りであるといえるでしょう。

地域別にみてみると、都心部では6%~8%台である一方、地方では15%を超える場合もあります。前述したとおり、都市部などの人口が多い地域ほど、利回りが低い傾向にあります。利回りは時期によっても変化するので、不動産購入を検討する前に調べることをおすすめします。

平均利回りなどの詳しいデータは、以下のサイトからご覧ください。

収益物件市場動向マンスリーレポート<2022/11>区分マンション価格上昇、+4.92%|不動産投資の健美家 (kenbiya.com)

物件賃料と管理費を有利に設定できる

家賃を高く設定でき、かつ管理費が少なくて済む物件であれば、手元に残るお金が増えるので利回りが高くなります。

家賃を高く設定できる物件とは、駅や学校に近いなどの需要が高い物件です。築年数が経った中古物件でも、立地が良い物件であれば家賃を高く設定できる傾向にあります。さらに、修繕する箇所が少ないなど、管理費を安く設定できるような物件であれば、より高い利回りが期待できるでしょう。

ただし、高利回り物件に仕立てるために業者が空室部分の家賃を高く見積もっている場合があるので、専門家にアドバイスをもらうなど購入前に自分で確認することが大切です。

高利回りな不動産投資を行うリスク

計算上は高利回りでも、「実際に運用してみたら赤字になってしまった」というケースが多々あります。ここからは高利回り物件に潜むリスクをご紹介するので、不動産投資を考えている方は参考にしてみてください。

空室リスクの高さ

高利回りな物件の特徴として「購入価格が安く、家賃が高い物件」と説明しました。しかし家賃が高くなるにつれて入居へのハードルも上がり、空室のリスクが高まります。特に都心よりも平均家賃が低い地方であればなおさらです。人口減少が進む地方では、そもそも満室になるほど人がいないこともあります。

また築年数が経っている中古物件であれば、設備が不十分であることや耐震性が弱いことなどを理由に、敬遠される傾向が高いです。不動産運営は入居者がいなければ成り立たないため、きちんと入居者が確保できる物件かどうかの見極めは肝心でしょう。

購入した物件が実は無理な家賃設定であった場合、どうしても家賃を下げることになってしまいます。こうなってくると結局は利回りの低い物件だった、なんていうことにもなりかねません。逆に、相場家賃をしっかり調べて設定家賃が手堅いもしくは、多少下げても十分利回りが稼げるものはお宝物件と言えるかもしれません。

維持管理・修繕費により利回りが下がる

不動産運営で忘れてはならないのが、維持管理費や修繕費などの支出です。建物が古くなるにつれて修理しなければならない部分は増加。そのほか、入居者募集のための広告費、退去時のクリーニング費、諸手続きに必要な費用や税金など多くの支出がともないます。どんなに家賃収入が得られたとしても、支出が多ければ利回りは下がってしまいます。

前述した実質利回りは諸経費を考慮したうえでの数字ですが、少しでも高利回り物件であることを装うために経費を低く見積もっている業者もいるため要注意です。

また、高利回り物件の特徴として、部屋の原状回復がなされていないケースが多くあります。購入前に空室の状況を見て、入居者をつけるためにどの程度の修繕費用がかかるのか、予め算定しておき、購入価格に加味した上で利回りを計算する必要があります。修繕費を加味してもなお、高利回りであればこれもお宝物件と言えるかもしれません。

不利な立地条件により流動性が低くなる

人口が少ない地方都市では都心に比べて不動産の流動性が低くなります。不動産投資における流動性とは売買や換金のしやすさを指し、そもそも不動産投資は株式などに比べて流動性が低い投資対象物です。理由は一口(物件)の購入金額が多額で手を出す人が少ないだけでなく、売却手続きに手間が掛かり即金性に欠けるためです。

ただでさえ人口減少が進み、空き家も増えている地域では、もし売却したいと思っても、すぐに売れるとは限りません。そう考えると、買い手が多い都心の方が流動性が高く、売却リスクが低い傾向にあるといえるでしょう。空室リスクを避ける意味でも、地方の不動産を購入する際には、人口が増加傾向にある都市を選ぶことをおすすめします。

高利回りの不動産投資を行う際の注意点

高利回りの不動産投資を行う際には以下の3つのポイントを参考に、長期的に運用できるかを見極めましょう。

  • エリアの将来的な開発計画や人口増減の予測・確認
  • 物件の総戸数
  • 物件のグレード

人口が少ない地域では空室リスクの高まりに加え、近隣に新規マンションの建設計画がある場合には、そちらに入居者が流れる可能性があります。また、総戸数が多くなればなるほど修繕箇所も増加する傾向にあるので要注意です。

さらに物件グレードがその地域に合っているかどうかもチェックしましょう。家賃や間取りのほか、単身向けかファミリー向けなのかも重要なポイントです。その地域に住む人の需要を満たす物件なのかを判断しましょう。

高利回りの不動産投資詐欺に遭遇した場合の対策

高利回りの不動産というと、つい食い付きたくなってしまいますが、詐欺師はその心理を利用して甘いセールストークを繰り広げています。

  • 「高利回りの投資ができる物件をあなただけにご紹介します」
  • 「高利回りで人気が高いため、今日契約しないとなくなってしまうかもしれない」

以上のような言葉は詐欺の可能性があるため要注意です。計算上は高利回りでも、多額の修繕費が掛かったり、全く入居者が見込めなかったり、何かしらの問題を抱えている物件である可能性があります。焦って契約しようとせず、まずは専門家に相談してみましょう。

万が一、高利回りの不動産投資詐欺に遭った場合には、以下の専門機関へ速やかに相談することをおすすめします。

  • 宅地取引業保証協会
  • 一般社団法人「日本不動産仲裁機構」
  • 公益財団法人「日本賃貸住宅管理協会」
  • 公益社団法人「全国賃貸住宅経営者協会連合会(賃貸協会)」
  • 弁護士
  • 消費生活センターまたは国民生活センター

まとめ:不動産投資における高利回り物件はリスクが多いので要注意

不動産投資において、高利回り物件は非常に魅力的です。一方で、空室リスクや修繕費などをきちんと考慮しなければ、赤字になる可能性もあります。高利回り物件での不動産投資を検討する際には、今回の記事を参考に、長く運用していけるのかを見極めましょう。

さらに、高利回り物件を利用した詐欺も横行しているため注意が必要です。リスクを説明せずに、目先の数字だけが高くなるように算出している場合も多く見受けられます。不動産物件の購入前には、専門家に相談するなどの冷静な判断を心掛けましょう。

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