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ドラマ「クロサギ」に学ぶ―『ローン詐欺』

ドラマ「クロサギ」に学ぶ―『ローン詐欺』

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クロサギ
この記事でわかること## INTRO_REWRITE

詐欺師を騙す詐欺師。『クロサギ』。TBS系金曜ドラマ」枠で放送された。ドラマで描かれた様々な詐欺を題材にその手口を学んでみたい。第6回は、『ローン詐欺』である。
※今回もネタバレとなりますのでご注意を。

住宅ローンと詐欺

## GLOSSARY

ローン詐欺とは

今回のシロサギは、なんと、銀行の支店長である。もちろん、カネを騙し取るような明白な詐欺を働くはずがない。ただ、営業手法が限りなくグレーなのだ。このシロサギは、銀行の支店長メンバーの中でもトップクラスの営業成績を誇っている。銀行の営業成績は、預金額、融資額、回収額などで決まる。シロサギは語る。私は、真摯に顧客に向き合うことで、実績を上げていると。確かに、金融商品自体には、ほとんど差がない銀行業界において、成績の差は、担当者の人間性や顧客のニーズの把握の差と言える。しかし、このシロサギの好成績は、詐欺まがいの手口によるものだ。ターゲットは、経営に行き詰った経営者。レストランの経営立て直しのため、2000万円の融資を依頼する。だが、シロサギは、これを断る。その代わり、住宅ローンの融資を持ちかける。なんと、7000万円だ。シロサギは言う。5000万円で家を買い、残り2000万円をレストランの資金に充てればよいと。これは、目的外利用だ。だが、素人であるターゲットは、違法だとは気づかない。銀行から提案されれば、疑わないのも当然であろう。シロサギは狡猾だ。金額の大きさにたじろぐターゲットに、『家族も増えて、家も必要ですよね。お父さん、ご家族のために頑張りましょうよ。返済に困ったら、いつでも相談に乗りますよ。』と善人面をする。一度は持ち直したレストランに、コロナ禍が襲い掛かる。再び、窮地となったターゲットに、シロサギは、2000万円を追加融資する。しかし、合計9000万円にのぼる借金は重たく、ターゲットは自殺してしまう。悲しみにくれる家族に、シロサギは冷たい。自宅の差し押さえを告げる。自宅が追加融資の担保になっていたのだ。さらには、銀行に抗議に乗り込む家族に対し、銀行は騙されて、目的外利用された側とシラを切る。

この話を聞いたクロサギは、全て最初から仕組まれた計画だと指摘する。まず、無理なローンを組ませて、家を買わせる。返済が滞ったら、その家を担保にして新しいローンを組む。これで、銀行には融資した実績、回収した実績が上がるのだ。もし、ターゲットが亡くなれば、住宅ローンは保険で返済される。追加融資で担保にした家も手に入る。シロサギは、とりっぱぐれがない。家族は怒りに震え、叫んだ。『まるで、詐欺じゃないの。』

クロサギの手口

クロサギは、そんなシロサギに、総合プロデュース業の若手社長になりすまして近づく。いきなり、1億円をドンと差出し、法人口座を開設だ。そして、数日後、相談があると、シロサギを会社に呼び出す。会社では、100人以上の社員があわただしく働いている。立地も良い持ちビルだ。土地建物で10億の価値がある。クロサギが切り出す。『このビルを担保に、3億円の融資をお願いします。』しかし、いきなりの高額融資の申し出に、シロサギは渋い顔だ。ここで、クロサギが仕掛ける。『貸してくれたら、3000万円キックバックしますよ。持ち帰って、検討してもらえませんか。』これには、シロサギも揺らぐ。『かしこまりました。』戦いは次のステージへと進んだ。

 後日、シロサギが新たな条件を突きつける。保証人だ。物的担保に加えて、人的担保をつけて、倒産時でも必ず回収できるようにしたわけだ。しかし、億単位の人的担保は重い。普通は誰も引き受けない。だが、クロサギは即OKする。契約場所は、大企業の会議室。そこに現れた大企業の常務が保証人となり、契約が成立した。

そして、クロサギの仕上げが始まる。まずは、計画倒産である。あれほど社員がいた事務所は、もぬけの殻だ。さらに、シロサギに訴状が届く。ビルの本当の持ち主が、担保無効の訴え起こしたのだ。ビルの登記簿は、クロサギが勝手に名義変更したもので、書類は全て偽造だ。裁判すれば、シロサギが負ける。保証人も、偽物だ。万年平社員に、常務の所作をレクチャーしたに過ぎない。大会社の会議室を借り、そこに重役面して入ってきただけだ。十分に用意したはずの担保は、全て空振りに終わった。騙されたことに気づき、怒り狂うシロサギに、電話が入る。『ご馳走様でした。』

だが、クロサギの攻撃は、まだ終わらない。とどめに、3000万円のキックバックをマスコミにリークする。世間の批判を一身に浴びたシロサギは、銀行から追放された。

用語集

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