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    残念な不動産営業電話ーもっとこういう話が聞きたい

    投資と詐欺編集部では、様々な投資家さんにお話を伺っています。面白い投資案件の話もあれば、投資案件を持ってきた営業さんの営業接客自体が話題になることもあります。今回は投資情報を集める際に出会ってしまった残念な営業さんのお話をご紹介しましょう。

    投資家には電話がたくさんかかってくる

    不動産投資家のHさんは、複数の不動産を所有する不動産投資家です。「積極的に投資に関する情報を集めていた頃のにリストに載ってしまった」と苦笑するHさんですが、多い日には1日7件、違う電話番号から売り込みの電話がかかってくるといいます。Hさんは資料請求用の電話を安いプランで契約している層で、プライベートや仕事の重要な電話に影響が出ないようにしているようです。

    「携帯電話には、迷惑電話防止のアプリを入れているので、電話営業をかけてくる相手先が表示されるようになっています。知らない番号で売り込みの不動産は出ないようにしているのですが、たまにだれかわからない番号があります。出てみると営業電話だったということがたまにあるのですが、非常に残念案営業電話があったんです」とHさんは苦笑交じりで教えてくれました。

    私は不動産のプロですと名乗る女性社員のでささやく上司の声が丸きこえな営業電話

    「私は不動産のプロです、と語る女性から電話がかかってきたんですが、久しぶりにむかむかしました。」と穏やかなHさんが思い出してちょっと嫌な表情を浮かべたのが不動産会社Aからの電話。Hさんは新築時に購入した区分マンションを賃貸に回していますが、年間20万円前後の赤字が出ているといいます。売却も考えたそうですが、残債が2000万円ほどあるなか、査定額は複数社から1700万円前後といわれているそうです。

    「300万円ほど繰り上げ返済すればローン返済額が下がるため、年間の収支は黒字になります。ただ、売却も視野に入れて様子を見ている状況なので、不動産会社さんから『頑張ります』という電話は結構あるんです。この物件に対してAという会社から電話で営業があったんですが、ちょっと内容がめちゃくちゃだったんです。

    まず若い女性の営業さんが電話口で営業しているのですが、すぐ後ろに男性の上司がいるようで、指示をだしています。ちょっと声を潜めて指示をだすのですが、その内容が丸きこえでした(笑)そういう状況なんですが、女性は『私は不動産のプロです。いま売らないと赤字が垂れ流しになってしまいますよ』と私に熱心に言ってきます。」

    許容範囲の赤字がでているだけでは、投資家は不動産を手放さないものです。そもそも買う時点でいろいろ計算して購入しているでしょうし、想定よりも賃料が低い場合でも、売るまで収支が確定しないので、じっくり黒字化を狙いたいのが投資家の心理であるはず。

    特に新築投資は立地によっては相場よりも高く売却できるチャンスもあります。出口戦略を考えている投資家としては、そういったチャンスに関して不動産のプロのアドバイスを受けたいはずです。営業電話もそういった観点で話をできる会社さんであれば、大歓迎なのでしょうが、今回の電話は違ったようです。

    「この物件は手放すまでは黒字化の可能性があるので、そういう話を私は聞きたいわけです。ですが、彼女は、『この物件の市場相場は1400万円前後です。なぜならRCの物件は配管がさびてしまうリスクがあります。物件価格では低めになってしまうんですね。でも私たちは長年の業界ネットワークで修繕もできるので、1600万円前後の査定額をご提示できます』とおっしゃいます。ちなみに後ろから男性上司がそう呟いている声が丸きこえな状況でお話されているわけですが(笑)」

    なかなか香ばしい状況ですね。二人場織というか、ブラックな電話営業が横行する場では、あるあるな光景なのかもしれないですが、非常に昭和の趣を感じ、むしろほほえましいくらいです。

    その電話は投資家にとってメリットある提案や情報か?

    「残債が2000万ちょっとなので、1600万円で手数料などを引くと、500万円ほど手出しがでてしまいます。一方で300万円繰り越し返済すれば、毎月のローン返済額の差額が黒転します。いま1600万円でうっちゃうと500万円損しちゃいますよね?どうすればいいですか?と聞いたんですよ。そうすると『いま売るべきです!いま売らないと損します。私は不動産のプロです。わかるんです。絶対です』と力説されちゃいました。『そもそも繰上げ返済して毎月の収支が黒字になるわけないじゃないですか』となぜか繰上げ返済のことも理解してもらえなかったんですね。しかも既に複数社に売却依頼を出した時には1700万円くらいじゃないと厳しいです。と数週間前に言われているんです。全く会話が噛み合わないので、お話を終えて電話を切らせていただきました。」

    久々にムカムカしたというHさんだが、損切を投資家に迫る際には、それが投資家にとってのメリットだときちんと伝えることが重要なのにもかかわらず、A社の若い女性営業マンが買いたたく姿勢しかみせることができなかったので、Hさんが不快な気持ちになってしまった様子。

    好奇心が強く情報収集に貪欲な投資家さんでも、一方的な売り込みには拒否反応がでてしまうようですね。ちゃんと営業電話ではメリットも伝えてほしいところです。

    いま円安でインフレが進む中、海外投資家が日本の不動産市場にかなり入り込んできています。海外投資家からすると物件が3割値引きのバーゲンセール。非常に魅力的に映っているようで、都心部を中心に、買い圧力が強まっている状況です。暗号通貨の市場や米国株が冷えている中、実物買いということで、日本の不動産が買われています。今後も人気エリアでは価格上昇が続くでしょう。

    そんな中、たたいて買って、高値で売り抜けるという不動産業者本位なスタイルでの営業はノーサンキューですよね。せめて物件の買い替えとか賃料アップのための投資などを提案してくれれば、違う関係が築けるかもしれないのに、と感じた残念エピソードでした。

    営業電話では情報を集めても信じ切らないことが大事

    営業さんの一方的な主張は疑ってかかりましょう。買いたいといわれれば、もっと価値がある証拠。買ってくださいと言われれば、相場はもっと安いと疑ってかかり検証するくらいがちょうどよいと思います。お金は無限にあるわけではありません。限られた資金を最大効率で運用したいものですね。

    投資と詐欺編集部
    投資と詐欺編集部
    「投資と詐欺」編集部です。かつては一部の富裕層や専門家だけが行う特別な活動だった投資ですが、今では一般の消費者にも未来の自分の生活を守るためにチャレンジしなくてはいけない必須科目になりました。「投資は自己責任」とよく言われるのですが、人を騙す詐欺事件は後を絶ちません。消費者が身を守りながら将来の生活に備えるための情報発信を行なっていきます。

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