暗号通貨市場は株式市場よりもボラティリティが高く、大きなリスクと高いリターンの可能性を持っています。この投資を行うためには、戦略的なアプローチと慎重な銘柄選定が必要です。2024年8月5日には機関投資家による円キャリー解消の動きに引きずられ世界同時株安が発生しました。そんな中でも暗号通貨は強いレジリエンスを発揮し、数日で回復を見せました。
今後ドル安、株安が発生する可能性が高い中、ゴールド投資と並んで暗号通貨投資に注目が集まっていますが、2024年9月以降、暗号通貨取引とどのようにかかわっていくべきか4つの戦略をご紹介しながら検討していきます。
目次
暗号通貨投資を行うための方法と具体的な銘柄
暗号通貨投資において、中長期を見据えると最も堅実な投資はBTC（ビットコイン）への投資と言えるでしょう。米国のETFにも採用され、トランプ大統領候補が国家としてビットコインを備蓄する政策を示すなど、2017年に比べるとキワモノから機関投資家も取り組まざるを得ない新しい投資対象に大きく立ち位置を変えています。2倍、3倍を狙うのであればBTCの現物買いは有力な選択肢です。
とはいえ、暗号通貨市場は、各国の規制方針が不確定であり、規制変更が価格に直結することが多い規制の不確実性、株式市場に比べて暗号通貨市場はまだ新しいため、価格の変動が大きい市場の未成熟性、一部の暗号通貨は流動性が低く、大口取引が価格に大きな影響を与える流動性の低さによりボラティリティが大きいハイリスクな投資対象です。一方で一日で30％以上の値動きがざらにあるハイリターンな投資対象でもあります。
実際にどのように投資として向き合っていくべきなのでしょうか。現実的な戦略を4つご提案したいと思います。
戦略1: ドルコスト平均法 (DCA)
- 毎月一定額を主要暗号通貨（BTC、ETHなど）に投資します。価格変動に左右されず、長期的に投資を続けることでリスクを平準化します。投資信託などでなじみ深い投資戦略ですが、ボラティリティが高い暗号通貨に対して長期的に取り組むことで、高いリターンを期待できる可能性があります。もし銘柄に悩む場合はBTC、ETH、SOLなどの時価総額が高い暗号通貨から投資対象を選びましょう。
戦略2: 分散投資
暗号通貨は1日で1000％上昇する銘柄もありますが、99％価格が下落する銘柄もあります。まさに玉石混交の投資対象です。数年後も生き残る暗号通貨はごく一部ですが、すでにメジャーな暗号通貨は成長余力も数倍程度。より高い成長も狙いたいのであれば、BTC、ETH、SOL、TONなど強い暗号通貨と、KAS、SUI、NOTなど関連する高い成長性が期待できる銘柄のポートフォリオを組むことが重要になります。
おすすめ銘柄と価格帯:
- ビットコイン (BTC)
- ポジションオープン価格帯: $57,000 – $60,000
- 現在の価格は約$57,382です。ビットコインは市場のリーダーであり、安全資産としての位置づけがあります。
- イーサリアム (ETH)
- ポジションオープン価格帯: $2,400 – $2,600
- 現在の価格は約$2,427です。イーサリアムはスマートコントラクトとDeFiの主要プラットフォームです。
- ソラナ (SOL)
- ポジションオープン価格帯: $150 – $160
- 現在の価格は約$155です。高速かつ低コストのトランザクション処理が特徴のソラナは、DeFiやNFT市場での利用が拡大しています。
- カルダノ (ADA)
- ポジションオープン価格帯: $0.30 – $0.35
- 現在の価格は約$0.34です。科学的アプローチと高いセキュリティを持つカルダノは、将来性のあるプラットフォームです。
- ポルカドット (DOT)
- ポジションオープン価格帯: $4.50 – $5.00
- 現在の価格は約$4.74です。異なるブロックチェーンをつなぐインターオペラビリティに焦点を当てたプロジェクトです。
- バイナンスコイン (BNB)
- ポジションオープン価格帯: $480 – $500
- 現在の価格は約$487です。バイナンス取引所のネイティブトークンで、多くのユースケースがあります。
戦略3: リアルワールドアセット (RWA) への投資
暗号通貨はDIFIのような金融面での仕組みを備えた通貨以外にもDIPINと呼ばれるような特定のサービスを運営するための通貨の役割を果たしているプラットフォームもあります。
- RealT
- ポジションオープン価格帯: 現在の市場価格に応じて購入。RealTは不動産をトークン化し、レンタル収入を得ることができます。
- Pendle
- ポジションオープン価格帯: $0.60 – $0.70
- 現在の価格は約$0.65です。将来の収益をトークン化して取引するプラットフォームです。
こうした特定のサービスを運営するための暗号通貨は、サービスの成長と共に通貨の価値が向上しやすいため、相場の下落に引きずられにくい上に、相場の上昇でさらに価値を上げやすいと言えます。
戦略4: 長期保有 (HODL)
- とはいえ、暗号通貨は1年のうちに30％以上の下落を複数回経験することも日常茶飯事なハ高いボラティリティを持っている投資対象です。ですが少なくとも過去10年を振り返ると継続して価値が上昇し、今では１BTCが1000万円を超える価値を誇っています。この価格上昇は今後も続くと期待されているので、短期的には大きな下落を経験しても、長期的に保有することで、資産形成に貢献してくれる可能性が高いと言えます。
- 暗号通貨の世界ではHOLD（売らずに保持）という言葉の誤字からうまれたHODLというスラングが象徴的に利用されています。HODLとは主要な暗号通貨（BTC、ETH）を選び、少なくとも1年以上の長期で保有し、短期的な価格変動に惑わされずに資産を形成していくという考え方です。
日本の銀行に貯金をしていても、金利はごくわずか。資産形成が難しいのは事実です。一方で投資信託などに資金を投下することで4％などの運用益を得ることができ、複利の力で20年、30年とかけて資金を増やすことができます。暗号通貨はこの資産形成のスピードが高くなる可能性がある投資対象です。
リスク管理
一年の中で価格が大きく下落したり上昇したりする不安定さはありますが、中長期、数年間のスパンでみると価値が2倍、3倍と増えてきた実績を持っています。一方でサービスが不愛想（独自ルールやユーザー自身にリテラシーを求めてくるフレンドリーでない仕組み）であったり、通常は法律で保障されているセーフティーネットがない玄人向けの投資対象でもあります。簡単にですが、リスク管理として備えておくべき点をいくつかあげておきますので少しづつ慣れながら暗号通貨投資に取り組んでください。
- セキュリティ対策:
- ハードウェアウォレットを使用し、二段階認証を設定します。
- 情報収集:
- 市場の動向や規制の変更を定期的にチェックします。
- 専門家のアドバイス:
- 専門家の意見を参考にし、投資判断を下します。
2024年8月以降の投資戦略のおすすめ
暗号通貨はハイリスク・ハイリターンな投資対象です。株式市場で2倍3倍のリターンを期待して個別株に取り組むよりは、よりボラティリティが高い暗号通貨市場の中で、BTCやSOLなどのメジャーな銘柄に資金を投下していく戦略の方があたる確率が高いかもしれません。
今回は初心者でも取り組みやすい4つの戦略を紹介しましたが、暴落後の下落相場は参入タイミングとしては悪くないタイミングです。
