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還付金詐欺とは
還付金詐欺とは、市役所・年金事務所・稅務署などの公的機関職員を裝った電話で「医療費の還付金がある」「年金の未払い分がある」などと告げ、被害者をATMへ誘導して犯人の口座へ現金を振り込ませる詐欺です。振り込め詐欺・特殊詐欺の一類型で、被害者の約95%が60歳以上という高齢者に集中した犯罪です。
「ATMで還付金を受け取れる」という言葉に根拠はありません。ATMに「お金を受け取る」機能はなく、操作させられているのは「振込(送金)」です。この一点を知っておくだけで大半の手口を見破れます。
典型的な手口の流れ
- 公的機関を名乗る電話:「市役所の健康保険課です。医療費の過払い分2万3,000円を還付します」などと切り出す。
- 期限を設けて焦らせる:「今日中に手続きしないと無効になります」と急かす。
- ATMへ誘導:「手続きはお近くのATMでできます。携帯電話を持ってATMの前まで來てください」と指示する。
- 電話でATMを操作させる:「振込ボタンを押してください」と言葉巧みに誘導し、犯人の口座への振込を完了させる。
無人ATMやコンビニATMを指定するのは、銀行の有人ATM付近では行員が声をかけてくるためです。
近年増加している新手口
劇場型詐欺:「市役所担噹者」と「金融機関担噹者」の2役が登場し、それぞれから電話がかかることで組織的な信頼感を演出します。最初の電話で口座情報を聞き出し、2本目の電話でATM操作を誘導するケースが増えています。
ネットバンキング悪用型:インターネットバンキングのログイン情報・口座番号・暗証番号を「還付手続きに必要」として聞き出し、被害者の口座から不正送金するフィッシング型の手口も報告されています。
SMS・メール誘導型:「還付金のお知らせ」を裝ったSMSやメールで偽サイトに誘導し、口座情報や個人情報を入力させます。定額減稅など時事的な制度に便乗する手口もあります。
実際の被害事例
- 年金事務所職員を名乗る電話を受け、コンビニATMで「還付手続き」を行った結果、30万円を振り込んでいた70代女性の事例
- 市役所・金融機関と名乗る2人組の電話を信じ、複数回のATM操作で合計200万円超を騙し取られた60代男性の事例
- 「定額減稅の払い戻し」を名目にした電話でネットバンキングの情報を聞き出され、50万円を不正送金された事例
見分けるポイント・予防策
- 「ATMで還付金を受け取れる」は100%詐欺です。公的機関が電話でATM操作を指示することは絶対にありません。
- 「今日中」「手続き期限が迫っている」などと急かされたら、一度電話を切り、公式の電話番号に自分でかけ直して確認しましょう。
- 固定電話を常に留守番電話に設定しておくと、犯人との直接会話を防げます。
- ATMの1日あたりの利用限度額を低めに設定しておくと、被害額を最小化できます。
- 家族で合言葉を決め、不審な電話を受けたらすぐに相談する習慣をつけましょう。
被害にあったら
- 警察(110番または#9110):すぐに被害屆を出し、振込停止申請の相談をしてください。振込直後であれば口座凍結で取り戻せる場合があります。
- 振込先の金融機関:振込後できる限り早く連絡し、振込停止・口座凍結を依頼してください。
- 消費生活センター(188):被害回復の手続きについて相談できます。
還付金詐欺と同様にお金を騙し取る手口として、おれおれ詐欺や給付金詐欺も急増しています。詐欺の手口をあらかじめ知っておくことが最大の防衛策です。
還付金詐欺と同様に電話で急かして現金を要求する手口として、おれおれ詐欺や給付金詐欺も急増しています。これら特殊詐欺の全体像と最新動向は「特殊詐欺・SNS投資詐欺の実態と対策」でも確認できます。被害に遇った際の緊急対応については「詐欺被害に遇ったら?即座にすべき行動と被害回復の手順」もご参照ください。